権現山・麻生山

ごんげんやま(1311m)・あそうやま(1267m)


権現山は、扇山の奥にどっしりと大きく横たわる山で、
自然林が多いようなので、新緑の頃に行こうと思っていました。
曇り空ですが、麻生山にかけての緑の尾根道を歩きたいと思います。


2006.6.4(日) 初戸_雨降山_権現山_麻生山_北峰_倒木ベンチ_杉平入口
 08:4510:30
10:35
11:10
11:40
12:20
12:25
12:55
13:00
13:55
14:00
14:30着
14:39発



長い間、中央沿線の山は駅から歩くものと思っていました。そのため権現山も扇山を越えて行くものと思い込み、とても遠くてあまり行こうと思う山ではありませんでした。でも去年、西や東にもバス停がある事にようやく気づき、今年こそはと思っていました。

4月に大幅改正があった富士急山梨バスの時刻表を見ながらあれこれ考え、初戸から鋸尾根へ行く事にしました。上野原駅で降りバス乗り場へ行くと、8:28松姫峠行きと、この松姫峠行きを運行する期間だけある8:08飯尾行きの2台のバスが待機。バス会社の人が案内版の前で、坪山や松姫峠方面のパンフレットを配りながら説明をしていました。

と、その時、近くにアラッ!っと思った人がいました。Outdoor Life・山歩きのsanaeさんに似ています。sanaeさんとは今までも何度かニアミスをしていたので、次回こそは声を掛けようと思っていました。あたりを見渡せば御主人も近くにいらしたので、これは間違いない! ちょっとドキドキしながらも、先にバスに乗り込んでいたsanaeさんの後から私もバスの中へ。

思いきって声を掛けると・・・  やっぱりsanaeさんでした! びっくり~!! 嬉しくて、先ずは初めましての御挨拶。今日は奈良倉山から大マテイ山へ行かれるそうです。外にいらした御主人にも紹介して下さって、sanaeさんと並んで記念撮影。帰りのバスの関係で私は8:08発を予定していたので、あまりお話しが出来ず残念でしたが、またどこかでお会い出来そうで楽しみです。HP通り、お二人仲良く、笑顔で送って下さいました。(sanaeさ~ん、御丁寧なメッセージありがとうございました。また、お会いしましょうね~)


初戸
【初戸】

本当に、びっくり! バスに乗ってからも何だかとっても嬉しい気分だったので、思いのほか早く初戸に着きました。

ここで降りたのは私を含め、単独4人。道標があり左の舗装道路へ進みますが、曲り角にはその都度道標があるのでとても分かり易い道です。緑深い橋を渡ると、登山道になりました。

檜と雑木の境を登って行くのですが、道は雑木側に多くつけられているので、雰囲気はいい道です。

昼頃には晴れ間もありそうな予報でしたが、空はどんよりと曇り、山の中はしっとりしています。檜林は手入れされているのですっきりしていて、湿気を含んだ幹からは微かに檜の香りがしていい気持ち。

雑木林
【雑木林】
霧
【霧が出てきた】

そのうちだんだん霧も深くなってきました。
雨は大丈夫かな~

時々緩やかになる涼しい道で、やがて用竹方面からの稜線に合流しました。

すぐ左の霧の中に、うっすらと電波塔の建物が見えます。雨降山はここかなと建物の周りをひと回りしたけど山名標柱のような物は見当たりませんでした。

合流
【用竹からの道に合流】


とうとう小雨がパラパラ降ってきました。とりあえず、ザックカバーだけ付けて登山道に戻りました。平坦な道を少し行くと和見峠分岐で「すみれの丘」と記された標識が立っていました。


霧の道
【しっとり霧の道】

緑の中の道は、幾重にも重なった葉にササササーと雨音はするけど、あまり濡れず傘を差すほどではありません。

明るい日差しが降り注ぐ輝くような新緑もいいけれど、霧に煙るこの道も幻想的でいい感じ。
ときどき現れるヤマツツジの朱色が、ハッとするほど鮮やかです。

白と緑の世界
【緑と白に、朱色が鮮やか】
大ムレ権現
【霧の向こうに大ムレ権現】

やがて両側が植林になり、向こうに何やら社のような物が見えてきました。

石段の上には日本武尊を祀った神社があり参拝。左裏に上がると、ここからは僅かながら急登です。

まもなく権現山 山頂に着きました。
北と南は見晴しもよさそうですが、今日は残念真っ白です。幸い雨は止んでいたのでシートを広げ昼食タイム。単独4、5人がいるだけの静かな山頂です。

食後、それぞれ出発した後、私は西へ向かいました。皆さん雨降山の方へ戻られたようで、ここからはひとりになりました。

権現山
【権現山】
浅川分岐
【浅川分岐】

この先はずっと自然林。
ちょっと行くと浅川峠の分岐で、大月市の道標がありました。このデザインは前から山の道標という雰囲気ではないなあと思っていたけど、霧の中では効果的です。

浅川峠への道を左に見送って、直進。一旦下ると道は緩やかになり、相変わらず白と緑が霞んだ気持ちのいい道です。

麻生山の登り返しも緩やかで長尾根への下り口も気づかずに麻生山に着きました。木立と霧に囲まれ、ひっそりとしています。しばし休憩。

麻生山
【麻生山】
西の麻生山
【西の麻生山は展望もよさそう】

少し行くと、地図に”標識あり”とされる所に出ました。南西側が開け、こちらの方が眺めはよさそうです。大きめの横板に「麻生山」と記され、何やら古びて味わいのある標識でした。


麻生山から下るとすぐ分岐があり、左後へ駒宮、長尾根方面へのトラバース道が延びていました。

後で思ったのですが、地図のこの位置はちょっとおかしい気がします。この先には三ツ森と呼ばれる大小三つのピークがあり、その三ツ森と麻生山の間にこのトラバース道の分岐はあります。地図では分岐が中央峰に書かれていますが、実際はもっと東にありました。

古い道標もあって、北に向けて腰掛方面を指していましたが、今でも道はあるのかどうか。

駒宮分岐
【駒宮分岐を振り返る】

三ツ森へ向かうと、何やらアヤしげな雰囲気。動物の低い鼻息のような気配がします。いつか真名井北稜でも同じような事がありました。あの時のような唸り声は聞こえませんが、こちらを警戒しているような雰囲気です。普段は小鳥や風など山の音に耳をすませたいので、熊鈴はうるさくてウエストポーチの中ですが、今だけ外に出しました。熊は本来臆病な動物らしいので、人の気配で立ち去るそうです。”通して下さいネ”と念を送り、鈴を振り振り進みました。しばらくすると大丈夫そうになったので、鈴はまたポーチの中へ。

この先は岩稜っぽい急な登り下りで、一つ目の狭いピークは見晴しもよさそうですが、ガスでさっぱり。二つ目のピークは木立の中で、下る途中に花の終わったイワカガミの葉がありました。


北峰
【真っ白な北峰】

三つ目が北峰で、この登りが一番長く、山頂はこのルート一番の展望台です。
が、相変わらず真っ白で、何も見えません。

北峰のすぐ先に道標があり小姓方面のみ指していますが、真っ直ぐ大寺山への細道がついていました。

左へ下り、鋸尾根という名前から岩のデコボコを想像していましたが、道は巻道になっていたのでとても楽な下りでした。

鋸尾根
【鋸尾根の巻き道】
何だろう
【花? 何だろう 】

その落ち葉がいっぱいの巻道の真ん中に、変わった小花が顔を出していました。よく見ると葉はなく、花でもなさそう。でも芽でもない感じで、ギンリョウソウの仲間かなといった雰囲気です。何やらひょっこり可愛い花びらでした。

ここの下りもずっと自然林で、しっとりと気持ちのいい道が続きます。

緑が続く道
【緑が続く道】
落ち葉道
【ふっかふかの落ち葉道】

中ほどには落ち葉がいっぱいの平坦地があり、ふかふかと素晴らしくクッションが効いていました。


可愛い白い小花がいっぱい咲いている木を幾つか見かけると、下に聞こえていた車の音も随分近くに感じるようになりました。あと30分くらいかなと思った所にちょうど倒木ベンチがあったので、休憩タイム。



フタリシズカ

ナルコユリ?

ヤマツツジ

マルバウツギ

この先でようやく短い植林があり、その先の竹林を抜けると茶畑に出ました。今日一番の見通しのいい風景です。

茶畑を抜け道標に従って舗装道路を下り、橋を渡って左へ上り返すと杉平入口のバス停です。

茶畑
【小姓の茶畑】


バスは14:39の次は17:32なので、遅れたら浅川入口15:10頃と思っていましたが、浅川発も15:00がなくなって、17:00で、ちょっと遅い。でも奈良子入口まで歩けば16:01があるか、などと地図を見ながらあれこれ考えていると、また周りの山も気になり出します。


曇り空でしたが、権現山は広葉樹林が多く、しっとりした森林浴で気持ちのいい山歩きでした。権現山は意外と近い山だと分かり、西へ向かってからは誰にも会わず静かで良かったので、また展望のいい頃にも行きたいと思いました。



前回の御正体山    HOME    山域別    次回の乾徳山