御正体山・石割山

みしょうたいさん(1681m)・いしわりやま(1413m)


御正体山は樹林に囲まれ展望はないようですが、新緑と展望地からの富士山を期待して出かけました。
帰りは山伏峠から平野への車道歩きは避けたいので、石割山から平野へ下りる事にします。


2006.5.21(日) 御正体入口_倒木ベンチ_鹿留分岐_御正体山_鉄塔
展望地
_山伏峠
分岐
_石割山_平野
曇りのち晴れ 08:4009:50
09:55
10:45
10:55
11:25
12:00
13:20
13:25
13:4014:40
15:35
16:30着
16:44発



都留市駅8:10発のバスが復活したという嬉しい知らせに、連休の次の晴天は御正体山に行こうと決めていました。予報ではカラッと晴れるという事でしたが、朝は雲が多くちょっと心配しながらも家を出ました。都留市駅で下車すると、なんとすごい人、人、人・・・ バス乗り場に行くと、既に中型バスはほぼ満席。バス会社の人達が何やら話し合い、大型バスに変更するらしい。既に座っている人達から順次乗り換え、ほぼ60人程の登山客を乗せて8:20頃出発しました。このバスが復活して、今日は富士急も大繁盛です。

団体さんらしい人に聞けば、今日は26人で二十六夜山へ行くそうで、もう一つの団体さんは25人で御正体入口で降りました。三峰神社の下で団体さんが準備をしていたので、先に出発。林道を右へ折り返すように登って行きます。植林に雑木混じりの明るい雰囲気で、まだ誰もいない静かな林道歩きです。


御正体山登山口の先の林道
【コンクリート林道】

所々に手作りの道標があり、「御正体山登山口」の古い道標から先も、最近舗装されたような幅広の林道になっていました。

コンクリート道路は突然終わり、脇の細い小道から登り始めます。手入れされた植林に新緑の広葉樹も混じり、すっきりとした道で、少し行くと仏ケ沢に出ました。

沢を渡ってしばらくすると尾根に上がり、ここからアカマツや広葉樹の新緑の明るい道です。

やがてブナやミズナラの瑞々しい新緑の林になりました。雲が迫ってきたのか、時々翳り、若葉がしっとり感じられるブナ林です。

ブナ林
【瑞々しいブナ林】
ブナの芽
【双葉のかわいいブナの芽】

足下には、落ち葉の間から可愛い双葉のブナの芽がたくさん顔を出していました。

去年はブナの実がいっぱいだったので、今年はこの双葉をけっこう見かけましたが、この殆どは親木の陰で光量不足のため枯れてしまい、成木になれるのはごく僅かだそうです。


一時間ほど歩いたので、朽ちた倒木がある所で一旦休憩。時々黒い小虫が顔の周りを飛び交うけど、まだそれほど多くはありません。時期が進むと、もっと増えて鬱陶しくなりそうです。白く可愛い小花がまとまって垂れるように咲いているのは、オトコヨウゾメという木のようです。

日が差すと明るく輝き、とてもきれいな緑の林になります。でも、空には雲が多くなってきました。登りにはいいけど、午後はきれいに晴れてほしいなと思いながら一歩一歩。


ブナ林
【明るく輝くブナ林】
鹿留分岐
【鹿留分岐】

最後の急登で鹿留分岐に出ました。
富士山方面が少しだけ開けていますが、雲に隠れて何も見えません。ベンチがあるので休憩。
小鳥がよく鳴いています。


御正体山へ向け歩き始めると、すぐに峰神宮跡地に出ました。今は小さな祠が2、3個あるだけの、ひっそりとした草地です。シロバナエンレイソウやワチガイソウなどが咲いています。この頃から、天気はすっかり曇ってしまいました。狭くなった尾根を、ブナの大木やまだ蕾のミツバツツジなど見ながら進んで行くと、霧の中から人の声がしてきました。

御正体山 山頂に着きました。
思いのほか人が多くて、ちょっとびっくり。山頂は小広い草地ですが、周りは樹林に囲まれ展望はありません。

新しそうなベンチで、前後しながら登って来た男性二人とお話しながら昼食。山伏峠や道坂峠から登って来た人も多く、山頂は20人くらいになりました。御正体山は静かな原生林の山と思っていましたが、今日は例外のようです。


御正体山
【御正体山】


ユキザサ

オトコヨウゾメ

シロバナエンレイソウ

ワチガイソウ

「カラっとした穏やかな行楽日和」という予報はどこへいったのか、霧は益々深まるばかり。このまま展望もない霧の一日だったら、山伏峠分岐から石割山へ向かう気力があるだろうか。でも、山伏峠へ下りて不気味そうな廃屋ホテルのそばを通るのはイヤだし、それに笹子駅前の20号線くらいでビクビクしている私には、更に狭くて車がビュンビュン走るという道志みちは無理そう。今日は、もう、道坂峠へ下りて帰ろうかなと、だんだん弱気になってきました。でも道坂峠からのバス時刻を調べて来なかったし、近くの人に聞いても知っている人はいない。

どうしようかなとあれこれ迷っていたら、だんだん明るくなってきて一瞬だけ日が差しました。! とたんに元気が戻ってきました。やっぱり石割山まで行くことにしよう。二人連れの方から温かいコーヒーをご馳走になり、出発しました。

青々としたバイケイソウの葉が広がるモミやブナの林を過ぎると、熊笹が茂るカラマツ林の下りになってきました。日差しのないカラマツ林は新緑でもちょっと沈みがちです。道標とベンチがなければただの通過点のような前ノ岳を過ぎると少し明るい雰囲気になってきました。


緑の道
【黄緑と青緑の道】

左側は広葉樹の黄緑色、右側はカラマツの青みがかった新緑で瑞々しい緑の道ですが、やはり日差しが欲しい。

ブナが目立ってくると次の中ノ岳で大木もあり、曇り空ながらも新緑が明るく感じられる森です。

中ノ岳
【中ノ岳】
石割山方面
【石割山方面・本当は富士山が見えるはず】

その先、鉄塔巡視路(外寄林道へ)の分岐がある道標を過ぎると、まもなく送電鉄塔の立つ広い草地に出ました。大きく視界が開け展望のいい所ですが、今日は残念。

富士山は雲に隠れ、あれが石割山かなーと、地図で確かめると手前の日向峰の方が標高がやや高く、石割山はその向こうの山のようです。


その右隣の山塊は2月に登った鹿留山ですが上空には何やら暗い雲が塊のように浮かんでいます。
鉄塔の左側は菰釣山などの国境尾根の山々がなだらかに広がっていますが、やはり上空に雲が多くぼんやり。この展望草地は、すっきり晴れた日に来たい所です。

鉄塔展望地から緩やかに進むと奥ノ岳で、ここは御正体山の奥ノ岳ではなく石割山の奥ノ岳という意味だそうです。ブナの木などあり、雰囲気のいい小ピークです


奥ノ岳
【奥ノ岳】
石割山の分岐
【山伏峠と石割山の分岐】

ブナの新緑にミツバツツジが映える気持ちのいい小道や、バイケイソウがいっぱいの道を行くと山伏峠と石割山の分岐に出ました。この頃からようやく日も差してきて、迷うことなく石割山へ。


光が降りそそぐ森は明るく、新緑も一層鮮やか。2,3ヶ所、右側が崩れ落ちて尾根が狭まっているところがあるけど、道は緩やかな上下の散歩道です。僅かな登りで小ピークを越えると左側が開け、三国山稜方面がすっきり広がって見える所に出ました。

この先はバイケイソウが多く、青々とした大きな葉が続いています。

この先に道標があり、鉄塔巡視路(山中湖方面へ)の分岐がありました。「石割山へ1時間」との表示に ”えー まだそんなにあるの?” とちょっとヘンに思いながら進みました。


バイケイソウ
【大きな葉のバイケイソウがいっぱい】
石割山へ
【石割山へ緑の道】

高い木が少なくなり、明るい雰囲気になってきました。ミツバツツジが緑に映えて、気持ちのいい道です。

右側がちょっと開け、向こうに御正体山が見えていました。今はもう暗い雲も去り、明るくなったようです。

少し行くと、送電鉄塔のある見晴らしのいい草地に出ました。ここにも同様の道標があって、「石割山へ5分」との表示にびっくり。
さっきの1時間という道標からまだ12分しか経っていません。ところが、この30秒後は・・・

御正体山
【明るくなった御正体山】
石割山
【石割山】

なんと、石割山の山頂でした。
振り返れば、鉄塔は山頂すぐ横の窪地にあります。いかにもお役所仕事で時間は実態とかけ離れていますが、ともかく思いのほか早く着いたので嬉しい。

休憩してすぐ下れば平野15:55のバスに間に合いそうだけど、せっかく空も青くなってきたのでゆっくりすることにしました。


山中湖の右の富士山、やっぱり雲の中でした。

西の木陰にシートを広げコーヒータイム。
正面は杓子、鹿留山で、相変わらず上空は大きな雲に覆われています。右に見えると思っていた御正体山は、すぐ隣の山の陰になって見えませんでした。御正体山から北西に延びる尾根が見えていて、ハガケ山から大野山のギザギザの稜線が見えていました。

随分ゆっくりして、そろそろ帰ろうかなという頃になってようやく富士山の上の方がチラッと見えました。

山中湖
【山中湖 右側の富士山は雲の中】

石割神社
【石割神社 奥社】

下り始めてまもなく立派な注連縄が掛けられた大きな岩が見えてきました。石割神社の奥社で、あの岩が御神体のようです。今日の無事を感謝して参拝。


この先はよく整備された道で、ベンチや東屋があり、長い階段を下って赤い鳥居をくぐると広い舗装道路に出ました。車はほとんど通らない道を真っ直ぐ行き、道志みちに合流、右へ行けば平野バス停。山中湖ぐるりんバスで、旭日丘で下車。20分待ちで御殿場行きに乗り換えました。


御正体山は展望はないけれど、モミ、ミズナラ、ブナなどに囲まれ雰囲気のいい山でした。石割山までの稜線は大きなアップダウンもなく、素晴らしい新緑の道でしたが、日差しが弱かったのが残念。すっきり晴天の日にまた来て、展望地や石割山からの眺めも楽しみたいと思いました。



 御正体山・石割山の花々



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