大菩薩峠・鶴寝山・奈良倉山

だいぼさつとうげ(1897m)・つるねやま(1368m)・ならくらやま(1348m)
平成18年5月4日~5日



2006.5.5(祝) 大菩薩峠_天狗棚山_榧ノ尾山_大ダワ_鶴寝山_松姫峠_奈良倉山_佐野峠_西原峠_中風呂
晴れ 06:00食
 06:55発
07:30
07:40
08:30
08:45
09:50
10:05
11:00
11:40
12:00
12:05
12:40
12:55
13:3514:00
14:50
15:50着
17:25発



富士山
【白い幻のような富士山】

朝、日の出は4:40頃とのことなので、4:30起床。親不知ノ頭まで行ってみました。


白い幻のような富士山が遠くに浮かび、淡い水彩画のように美しい。雪原のような雲海が一面に広がり、低い山々が岩のように頭を出しています。

薄雲がたなびく東の空に、太陽がそっと顔を出しました。上空は雲ひとつなく、快晴。予報よりいい天気になりそうです。


6時からの朝食を済ませ、出発。熊沢山を越えると、またあの素晴らしい眺めです。
石丸峠の広く明るい笹原に線を描く登山道。狼平から小金沢山にかけての笹の稜線。
その奥に見える雁ヶ腹摺山と右に富士山。ここからの眺めはいつ見ても伸びやかで気持ちいい。

石丸峠から
【石丸峠から狼平、小金沢山   奥に雁ヶ腹摺山、右に富士山】

朝日を受け、時々立ち止まりながら笹原を下ると石丸峠。振り返りつつ登り返すと牛ノ寝通りと小金沢山の分岐です。牛ノ寝通りへは左へ下って行くのだけれど去り難く、ちょっと上の1957地点(天狗棚山?)まで行ってみます。

上日川ダムの向こうはまだ雲海が広がり、南アルプスは朝より霞んで更に見えにくくなっていました。

ここからは狼平と小金沢山が正面に見え富士山はその後に隠れていますが、牛ノ寝通りに下りてしまうともうこの景色も見れないので、しばし眺望タイム。


雲海
【雲海の向こうに南アルプスがうっすら】

分岐に戻って、牛ノ寝通りへ向かいます。しばらくは急な下りで、芽吹き前の明るい道を下って行くと長峰分岐の道標で、右には細い踏み跡。左へ下って行くと見覚えのある「山道」の道標があり、左から山腹道が合流。山肌に沿って昨日の「荷渡し場」に通じているのか、下の沢に下りていくのか・・・


榧ノ尾山
【榧ノ尾山】

やがて榧ノ尾山に着きました。
前回は霧で何も見えなかったけど今日はよく見えます。切り株に座り、木々の間の昨日歩いた丹波大菩薩道や遠くの雲取山方面など見ながら休憩。


ここからは緩やかな山の散歩道。ポツポツ咲いているミツバツツジやブナの大木、カラマツの新緑など見ながらの平坦な道が、緩くカーブしながら右に左に続きます。

伐採地の大ダワに着きました。
ここも南北の見晴しがよく、北はちょうど飛龍山が目の前でその右に三ッ山の小さなコブが三つ。南には雁ヶ腹摺山と大樺ノ頭が双耳峰のように並んでいます。


大ダワ
【見晴らしのいい大ダワ】

この先の分岐で小菅への道を左に見送って、真っ直ぐ松姫峠方面の道に入ります。すぐに大マテイ山の巻き道分岐になりました。右の「大マテイ山・鶴寝山(日向みち)」と記されている明るい道へ進みました。大マテイ山の南側を巻く淡い芽吹きの道で、ミツバツツジもちらほら咲いています。巻き終わった先からは、木々の間に葛野川ダムが見えていました。


分岐
【小菅の湯 分岐】

平坦な道を進んでいくと小菅村の立派な道標があり、左は「トチの巨樹、わさび田」「小菅の湯」と記されています。ここからも小菅へ下りられるようです。

明るい芽吹きの自然林の道はまだまだ続き、
風もそよそよ、日差しも柔らかく本当にいい気持ち。スミレやエンレイソウの蕾など見かけました。

自然林が続く
【明るい自然林が続く】
鶴寝山
【鶴寝山】

やがてベンチのある鶴寝山に着きました。
ここはすぐ先の松姫峠から近いので、多くの人が行き交っていました。

西のカラマツ林が伐採されているので富士山が見えていますが、今はもうぼんやり霞んでいます。手前に見える長い尾根は楢ノ木尾根でしょうか。ここもいつか歩いてみたいと、眺めながら昼食。


鶴寝山から下って少し行くと、鶴寝山を北に巻く「二輪草コース」という道標が立っていました。大マテイ山から松姫峠のあたりまで小菅村が整備しているようで、あちこちに立派な道標が立っています。フデリンドウが咲いている落ち葉がいっぱいの明るい雑木林を行くと、松姫峠の手前の伐採斜面に出て、ここで寛いでいる人もけっこういました。すぐ下の松姫峠に下りるとバス停やトイレがあり、富士急バスが期間運行しています。

すぐ先に奈良倉山の登山口がありました。平行して林道も延びているようですが、ゲートがあるので車は通らないようです。


松姫峠
【松姫峠  左に奈良倉山登山口】
北の登山道
【北の登山道は芽吹きの自然林】

林道のすぐ北にある登山道は芽吹きの自然林。エイザンスミレが咲いていました。

途中で林道と合流。南側を行く林道はやがて新緑のカラマツ林になりました。

南の林道
【南の林道は新緑のカラマツ林】

林道はそのまま南を巻くように延びていますが、途中に奈良倉山への登り口がありました。小さな道標があり雑木林と植林の境を真っ直ぐ登って行きます。足元にカタクリの花が3輪だけ咲いていました。


奈良倉山
【奈良倉山】

道標が見えてきました。ここが奈良倉山のようですが、あまり山頂という風情の所ではありません。
右の植林の中に「富士山天望所」というちょっとした展望地があり、ここでしばし休憩。富士山はもうすっかり霞んで見えませんでした。


ここで鶴峠に下りようかとも思いましたが、天気もよくまだ早い。時間的には坪山経由で飯尾に下りる事も出来そうなので、予定通り尾根伝いに進むことにしました。すぐ下が林道の終点かと思っていましたが、先まで続いています。尾根を僅かにずれていますが概ね尾根伝い。右に左に巻くように続いていて、途中で下ってしまわないか心配しながら進みました。


そろそろ佐野峠に着いてもよさそうだと思ったら、ようやく道標を見つけました。手作りの道標で、右の細い道が「西原・浅川・権現山」を、今来た道は「松姫峠」を指しています。ペン書きで小さく「佐野峠」と書かれているけど、ちょっとヘン。浅川は合ってるけど、西原・権現山は方向が違う。???

この先の林道が延びている方向には表示がないので、ここで地図はエアリア「大菩薩嶺」から2006年版「高尾・陣馬」に切り替えました。


佐野峠
【佐野峠  右に消えそうな細い道】

地図の実線は1234地点の北を巻いているのでそのまま林道を進み、巻き終わると今度は何やら右に下り気味になってきました。”えー?どこ行くの?” と心配になり、左の尾根に上がろうとすると同じように思った人がいたのか薄い踏み跡がついています。ややヤブっぽい道を行くと左へ下り始めたので、”ちょっと待って、西原峠を確認してから” と思い右を見ればさっきの林道がまだ平行していたので、一旦強引に林道に出ました。(後で思えばこのヤブ道が正解だったようです。実線になったからといって、必ずしもはっきりした道とは限らないようです。)


坪山への道標
【坪山への道標あり】


少し先へ行くと古い道標があり、飯尾・坪山を指す案内があります。ここが分岐かと思い、では坪山へと思いましたが登り口が分からない。

きちんとした道標もあり実線に昇格した道なので、はっきりした登山道があるはずだと思ったけど見当たりません。東に延びる林道は違うと思いつつも、どこかで尾根道に出れるのかも、行ける所まで行ってみようと歩きました。が、ずっと先まで行って林道は行き止まり。仕方なくさっきの道標まで戻りました。やれやれ。

時計を見ると14:40。飯尾の最終バスは16:55なので、もうタイムリミット。坪山は諦めて中風呂に下ることにします。

林道を少し下ると、さっきの道標の所からは見えない位置に、中風呂への下り口がありました。ここが西原峠のようです。

バスは上和田発17:25、時間はたっぷりあるので、西側の新緑の林を見ながら最後の休憩にしました。


中風呂へ
【西原峠    七保、中風呂は右折】
松姫鉱泉へ
【松姫鉱泉へ新緑真っ盛りの下り道】

ここから午後の光が差す明るい雑木林を下っていきます。ジグザグに下って行くと、左下に集落や車道が見えてきました。やがて民家のすぐ脇を通ると、手作りの古い道標があり、今来た方向を指して「佐野峠」と表示されています。???


葛野川渓谷を小さな橋で渡り、左へ行くとバス通りに出ました。右に少し行くと松姫鉱泉が見え、モミの大木がご神体になっている鳥居がありました。

時間がたっぷりあるので、日帰り湯(500円)を利用。鉱泉といっても私にはよく分からず、普通のお風呂のようでしたが汗を流してさっぱりしました。

お風呂から出てもまだ時間がある。下の渓谷に下りようと外に出ると、ここのご主人がいて佐野峠と西原峠の話をしてくれました。ややこしいので別記。

松姫鉱泉
【松姫鉱泉】

葛野川渓谷
【すぐ下の葛野川渓谷】

下は渓流つり場になっていて、ちょっと奥まで歩けます。切り立った岩が迫り雰囲気はいいけれど、ダムから流れているからか、水はあまりきれいではありませんでした。

バスは定刻に来ましたが、乗客は僅か。この路線も16時台がなくなり、先細りで心配です。


丹波大菩薩道は長いけど緩やかで静かな道でした。途中に明るい休憩ポイントもあり、とてもいい道なので、また季節を変えて歩きたいと思います。牛ノ寝通りから松姫峠は伸びやかで、まさに山の散歩道。でも葉が茂っている時の方が先の景色が見えずわくわくするので、もう少し新緑になってからの方が楽しめたかなとも思いました。奈良倉山からは地図にはないのにずっと林道になっていました。見晴しはいい道なので雪が積もって林道が隠れている頃なら楽しいかも。



佐野峠と西原峠

古いエアリア地図にはないけれど新しい地図にある西原峠はもともと佐野峠と呼ばれ、今日下りて来た登山道は東京へ抜ける昔の国道だったそうです。今でも地元の人達はここを「佐野峠」と呼んでいるそうで、確かに橋を渡ってバス通りに出た時も「←佐野峠」の比較的新しい道標が立っていました。一軒家の脇で見た「佐野峠」という手作りの青い道標も地元の呼び名の佐野峠(地図の呼び名は西原峠)のことのようです。「地図屋が勝手に名前を動かしたので今度抗議する」と言っていました。坪山方面への取り付きが分からなかったと言ったら「今度ちゃんと道標を立てとくよ。」と言ってくれました。



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