塔ノ岳

とうのだけ(1491m)


塔ノ岳は丹沢一の人気の山で、特に冬は素晴らしい展望に恵まれます。
昨日は雪が降ったので、白銀の世界と青空を期待して出かけたのですが・・・


2006.1.22(日) 大倉_905地点_花立山荘_塔ノ岳_金冷シ_堀山の家_雑事場_大倉
朝だけ晴れ
のちガス
 07:30着
 07:45発
09:10
09:20
10:35
10:50
11:35
12:25
12:40
12:50
13:45
13:55
14:55
15:00
15:40着
15:55発



今年の冬は寒い。でも、今日の雪で山は白いだろうな。鷹ノ巣山と塔ノ岳、どっちにしよう。塔ノ岳は人も多そうだから鷹ノ巣山にしようかな。でも、朝早く起きるのは寒そうだなあ。やっぱり近くの丹沢にしよう。でも、低気圧がまだ近くにいるから雲が出やすいだろうなあ。やっぱり奥多摩の方が晴れて展望もいいだろうなあ。でも雪が多くて楽しそうなのは丹沢だろうなあ。

真冬=展望=丹沢なら塔ノ岳・奥多摩なら鷹ノ巣山・中央沿線なら滝子山、と最近は思い浮かぶ山が限られ、考えるのも億劫になり昨夜は布団の中で振り子のようにあれこれ迷いながら眠りに着きました。結局 ”朝はゆっくり” に負けて一番近い塔ノ岳へ行くことに。でも帰りは、好きな鍋割山稜を歩こうと予定して家を出ました。

町田ではすっきり晴れていたのに、伊勢原駅を過ぎると大山にはもう雲がかかり手前の山も見えずガックリ!やっぱり奥多摩にすればよかったかなあと、引き返したくなりました。でも秦野駅を過ぎると雲が取れて晴れてきたので、よかったよかった、元気になりました。渋沢駅7:18発のバスは30人ほどの登山客を乗せて出発。


大倉バス停
【大倉バス停の雪景色】


終点の大倉に着いた頃には青空が広がり、奥には鍋割山稜の大丸あたりが白くきれいに輝いていて嬉しくなりました。

近くの山も針葉樹と落葉樹により雪や霧氷に覆われた姿が違い、なにやら味わい深い。

朝日が当たって、大倉の雪景色もなかなかいいものだなあと周りを見渡しながら、殆どの人が出発した後からゆっくり歩き始めました。

降雪の翌日なので登山口から雪があり、朝日を受けた小枝からは時々サラサラと雪が舞い落ちてきます。

雑事場ベンチに着いて、右へ行けば新しくなった見晴茶屋が見えてきました。山小屋らしい丸太造りで、雪景色によく似合っています。
「自炊小屋から通常小屋になりました。」との看板が立っていました。


見晴茶屋
【新しくなった見晴茶屋】
大倉尾根
【明るい大倉尾根】


ここからしばらくは幅広の大きな段々道です。下りの時は疲れの出るこの辺りの段々も、朝は爽やかでいい気持ち。

寒くても日が差せばやはり気持ちいいのでしょう、雪木立の中で小鳥たちが鳴いています。

枝の雪も徐々に緩み、サラサラ落ちていた雪もバラバラに変わって、日が高くなるにつれボタボタと増えてきます。時々ザザッーと、まとまって落ちて来るので用心用心。


一本松の道標が過ぎ、駒止茶屋の手前あたりまで来てふと気がつくと、小鳥の声も雪の落ちる音も聞こえなくなっていました。駒止茶屋の先のベンチに腰掛け空を見上げると、また雲が広がり寒くなってきています。えっ、晴れるんじゃなかったの?と、とたんにガックリ。でも、塔ノ岳の山頂に着く頃にはまた晴れてくれるかも、と気を取り直しつつ休憩して出発。

松が林立する堀山あたりは西側が開け、先行の皆さんが立ち止まっていました。晴れていれば富士山が見えるはずですが、今はもうすっかり曇り、檜岳や伊勢沢ノ頭の尾根まで見えるのがやっとです。


堀山
【松が林立する堀山手前】
堀山の家へ
【平坦な雪道を堀山の家へ】

段々の多い大倉尾根も、駒止茶屋から堀山の家までは緩やかで、気持ちのいい雪の散歩道が続いています。


堀山の家のベンチには人がいっぱい。団体さんがアイゼン装着中でした。花立まではまだ大丈夫そうなので、私はそのまま通過。ここからは急な段々になります。すっかり曇って、木々の雪も寒さに身を縮め、もう落ちてきません。

晴れの予報はどこへ行ったのか、長い段々の上の花立山荘も真っ白なガスの中。ここでアイゼンを着け、しばし休憩。この上の岩ゴロゴロ坂は雪に埋まり、比較的歩き易くなっていました。

晴れていれば、この先の木道からは更に展望が開け、そこから見える富士山も好きで雰囲気のいい道になるはずですが、今日はますますガスが濃くなるばかり。去年の時より見通しが利きませんでした。


塔ノ岳は?
【塔ノ岳はガスの中】
金冷シの先
【・・・・・】

すっかりモノクロの世界になって、もはや展望は夢のまた夢・・・

雪の感触だけを楽しんで進みます。

黙々と歩き、やっと塔ノ岳山頂に着きました。
が、見えるのはあの大きな標柱だけ。

目の前の尊仏山荘も真っ白で、山頂の風はかなり強くとんでもなく寒い。さすがに今日は外で食事をしている人はいません。私も山荘でお昼にしようと思いますが、この山小屋へ入るのは初めてです。

塔ノ岳
【塔ノ岳】

中には人がいっぱい。甘酒を注文、熱くてほっと一息。窓には時々強風に飛ばされた雪がザザザザーと音を立てて当たり、ちょっとしたブリザードふう。雲が出るだろうとは思っていたけど、こんなにひどい天気になるとは思っていなかったので、改めてびっくり。これじゃあ鍋割山は無理だなあと思いながら食事をしました。

すっかり温まってから小屋の外へ。再びアイゼンを着け、手袋は二重にしてフリースの襟を立て、いざ出発。風で飛んで来る雪が頬に当たり痛くて、急いで山頂を後にしました。


金冷シ
【鍋割山稜分岐の金冷シ】


下り始めると風はそれほど強く感じられなくなり、そうなるとまた鍋割山へ行ってみようかなと、分岐の金冷シからは右に下りました。

が、下りた所で立ち止まってしまいました。去年の丹沢山もガスでしたが、あの時は風もなく周りの景色も見えていました。幻想的な霧氷の森は、むしろ詩の世界を歩いているようでとてもいい感じだったけど、今日はただ寒いだけ。鍋割山稜は好きな道だけどまた今度にしよう。


あとはもう、来た道をただ下るだけ。今日の大倉尾根は歩いている人もたくさんいたので、下の方は黒い雪になっていました。この時間から登って来る人も時々います。今夜は小屋泊りなんでしょうか、明日の朝はきれいに晴れ上がっている事でしょう。いいなあ・・・

急坂を下りた堀山の家で一旦休憩。そしてまたひたすら下って、雑事場のベンチでいつものようにストレッチ休憩してバス停に向かいました。

大倉に着くと、なんと上は雲が切れ、青空!
手前の山はすっかり霧氷が消え、ちらっと見える奥の稜線は白く輝いてアルプスのよう。今頃になって晴れるなんて、悲しい~ 

でも、まあ、こんな事もありますよネ・・・


大倉
【晴れるの遅いヨ~】

青い空と素晴らしい眺望、新雪に輝く明るいブナ林、すべては夢に終わった一日でした。でもサクサクの雪道だけは楽しめたし、塔ノ岳は好きな山なので、また行こうと思います。



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