大菩薩峠・小金沢連嶺

だいぼさつとうげ・こがねざわれんれい
2005年10月22日(土)〜23日(日)



2005.10.23
(日)
 大菩薩峠_小金沢山_牛奥ノ
雁ヶ腹摺山
_黒岳_白谷丸_湯ノ沢峠_大谷ヶ丸_ハマイバ丸_米背負峠_天目山
温泉
快晴 06:50発08:30
08:50
09:25
09:40
10:5011:10
11:50
12:20
12:25
12:55
13:00
13:30
13:50
14:3016:20着
16:55発



日の出は6時頃とのことなので、朝は5時過ぎに起きました。身支度して外に出ると、素晴らしい快晴です。でも、昨夜からの風が相変わらず強く寒い。朝食時の若主人の話では、この秋初めての氷点下でマイナス3度だったそうです。体感温度はもっと寒かった。


朝焼け
【朝焼けの富士山】

富士山には雪が降ったようですが、頭にすっぽりと帽子を被ったように雲が乗っていました。その富士山を徐々に紅く染めながら朝日が昇ってきます。

今日はどうしても晴れて欲しかったので本当に感謝。私も心で手を合わせながら朝日を見つめていました。


朝食後は、ポットにお湯(無料)を入れて出発。昨日同じテーブルだった人は、今日は牛ノ寝通りを下るそうです。晴れて日の差す林の紅葉は一段と鮮やかでしょうね。

熊沢山を越えると、まだ逆光ですが、昨日はどんよりとしていた狼平から小金沢山の稜線がくっきり。富士山も雲の帽子が取れてすっきりきれいな姿を見せてくれました。今日は一日この富士山と対面しながら幾つも山を越えて行きます。うれしくて、わくわく、本当に感謝です。

昨日の牛ノ寝通りへの道を見送り、右へ登って行くと天狗棚山です。ここからは展望も一層開け、狼平の向こうに小金沢山が待ってくれているようです。

この稜線の笹原は霜で濡れると大変だそうですが、昨夜からの強風のお陰で昨日の雨粒も吹き飛ばされ霜も降りなかったので殆ど濡れず助かりました。


小金沢山
【狼平と小金沢山】

狼平は気持ちのいい平らな笹原。本当はここでコーヒーでも飲みながらゆっくりするつもりでしたが、なにしろ風が冷たい。とても寛ぐなどという状況ではないので、先へ進む事にしました。この先、笹原を抜けると小金沢山への登りになり、尾根より少し西側に下がった所を歩くようになります。苔むす樹林の中を木の根や倒木を越えながら進んで行くと、足元には落ち葉がいっぱい。せっかく残っていた紅葉も、昨日の風でずいぶん散ってしまったようです。


小金沢山
【小金沢山 山頂】

小金沢山に着きました。
真っ赤な紅葉の向こうに、雪化粧した富士山の姿がとても感動的です。

ここは狭いピークですが北西面が樹林に囲まれている為、あまり風が当たりません。ここなら安心と、岩に腰掛けて休憩することにしました。


小金沢山の山頂は東から南にかけての展望が素晴らしく、飛竜山〜雲取山〜鷹ノ巣山と続く石尾根、そして奥多摩三山。手前には昨日歩いた牛ノ寝通りがずーっと延びていて、その右には丹沢の稜線もくっきり見えています。熱いコーヒーを飲みながら、一つ一つの山を確かめるように眺めていました。

奥多摩
【飛竜山〜雲取山〜鷹ノ巣山〜奥多摩三山】

ここから牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ向かう道も熊笹が迫り膝から胸まで高さもいろいろですが、道は思ったよりはっきりしていました。昔はあちこち迷い道があったそうですが、今はあまり気付きませんでした。

登り返して牛奥ノ雁ヶ腹摺山に着きました。
南面が大きく開けているので、富士山も全体がすっきり見えます。

山頂は小広く風も当たらないので、さっき休んだばかりですが、ここでも休憩タイムにしました。


牛奥ノ雁ヶ腹摺山
【牛奥ノ雁ヶ腹摺山】

広い笹原を少し下ると右側が開け、南アルプス全体が大きく広がって見えて来ました。
右から、キリットとした甲斐駒ケ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、手前に鳳凰三山。
そしてまだ行った事のない赤石岳や聖岳方面もすっきり見えて、なんて素晴らしいんでしょう!

南アルプス
【南アルプス】

下の賽ノ河原で水場の道標を見送り、また登り返します。牛奥ノ雁ヶ腹摺山から見た通り、このあたりは紅葉も多かったのですが、やっぱり足元には昨日の風で赤や黄色の落ち葉がいっぱいでした。


川胡桃沢ノ頭
【川胡桃沢ノ頭】

明るい林を急登して上に出ると、ススキの広がる小広い草地になりました。ここが川胡桃沢ノ頭ですが、道標がなければ通り過ぎてしまいそうな所です。

この先からは緩やかな上下する道になり、針葉樹林になりましたが広葉樹も混じっているのでそれほど暗くはありません。やがて苔むした原生林になり、大峠の分岐が見えてきました。

そのすぐ先が黒岳の山頂ですが、樹林に囲まれ展望はなく、平坦であまり山頂という感じではありません。
ここは通過。

黒岳
【黒岳】
広葉樹林
【黒岳の広葉樹林】

この先はだんだん明るくなり、木立の向こうに紅葉が見えてきました。

少し下った所はオレンジや黄葉の明るい広葉樹が広がる平坦な林で、見上げながら進むと「やまなしの森100選 黒岳の広葉樹林」という標識が立っていました。ここも気持ちのいい所です。


この森を過ぎると、大きく開けた明るい斜面の上に出ます。岩の横に白谷丸の札が立ち、岩陰で先客さんが昼食中です。ここは草原の南斜面で、強い風も避けられるので私もここでお昼にしました。

白谷丸は北西側も大きく開け、ススキのそよぐ向こうには八ヶ岳や奥秩父の山々も見えています。今日は空が本当にきれい。


八ヶ岳
【八ヶ岳と奥秩父の山々】
湯ノ沢峠方面
【湯ノ沢峠と大蔵高丸方面】

東側は大きなガレ場で、白谷丸の名前どおり眩しいほどに真っ白に崩れ落ちています。

下が湯ノ沢峠のはずで、手前の笹原には赤や黄の紅葉が点々としてきれいです。奥に丘のように見えるのが大蔵高丸のようで、この小金沢の山稜はどのピークからも次に歩くルートが見えるので、眺めていてもとても楽しくわくわくします。


ちょっと歩きにくい急坂を下り背の高い笹道を抜けると、ひょっこり道路に飛び出しました。湯ノ沢峠の大きな標柱が立っていますが、予想とは違い小さな十字路といった感じの峠です。そのまま向かいの道へ進みました。

少し登ると広い草原で、風がまともに当たり、枯れ草が風になびいていました。中央辺りに「湯ノ沢峠のお花畑」という標識があったので、花の季節はきれいそうなところです。湯ノ沢峠は近くまで車が入れるようで、上から数人のグループが幾つも下りてきました。「こんにちは〜」と声を掛けると「上は凄い風で休んでいられないよ。僕たちもすぐ下りて来たんですよ〜」との事。確かにここは吹きさらしで、上も大変そうです。

木立を急登して大蔵高丸の山頂に出ました。
北側の木は疎らで、本当に風が強い。
広い草原で、南にはススキがいっぱい広がり展望も素晴らしい山頂です。

コーヒーでも飲みながらゆっくりしたい山頂ですが、今はとてもそんな状況ではありません。ぐるっと一回り、景色を眺めて出発しました。


大蔵高丸
【大蔵高丸】
ススキ原
【大蔵高丸の下のススキ原】

大蔵高丸からはススキの草原をカーブしながら緩やかに下ります。風でキラキラ輝くススキの向こうに見える富士山は、この時間でもまだすっきりときれいでした。

疎林の先のハマイバ丸は紅葉が丁度見頃できれいでした。日に透けたモミジの下に富士山が見え、カメラマンが三脚を据え撮影中です。

ここは風も弱いので、鮮やかな紅葉を見上げながらゆっくりコーヒーを飲みました。

ハマイバ丸
【ハマイバ丸は紅葉が見頃】

笹の斜面を下って草地の先を登り返すとぽつんと岩がありました。「天下石」の標識がありましたが、何もなければただの大きな石にしか見えませんでした。右に少し登った先で、気持ちいいブナなどの自然林を下ると鞍部に道標がありました。


米背負峠
【米背負峠】

ここが米背負峠です。
日の長い季節なら、この先の大谷ヶ丸から景徳院へ下りたいところですが、今日はここまで。
日の短い今は、米背負沢を下って林道を歩いた方が無難なので右の沢道へ下りました。

この道は道標もあり、細くても意外と踏まれているようです。ところどころ高巻いていて夏草が茂り、ちょっと分かりにくい部分もありますが、沢沿いに下れば大丈夫です。やがて若い植林になり、車道に出ました。

この車道は、人はもちろん、車もまったく通りません。
周りの木々は色付いてきれいなところもあり、上を見上げながらひたすら歩きました。

車道の上
【緑も黄もオレンジもきれい】

右に左にカーブしながら緩やかに下っていくと、左に小さな分岐があり大蔵橋への道が下りています。でも、この道はなぜか下る気がしませんでした。通り過ぎて、先へ行くと・・・なんと、大変! トンネルがあります! 
しかも中でカーブしているようで、奥は真っ暗!! 地図には無いのに・・・ 

実は、私は、とっても臆病。ユウレイとナメクジ(見た事ないけど、多分ヒルも)が大の苦手。音もなく、スーーっと ”そこにいる” ものは怖ろしい!! 先の見えない真っ暗なトンネルは、とんでもなく困ります。戻って、大蔵橋への道を下りようかなと思いましたが、バスの時間まで何もなさそうな橋のそばで一人で立つのも嫌だし、第一あの道はなぜか気が進まない。

去年、丹沢の玄倉林道のトンネルをヘッデンで歩いたことは本当にいい経験だった。今は誰もいないけど、とにかく頑張って行くしかない!と思い、意を決して進むことにしました。ヘッデン点けて、チョコを口に入れて、さあ突入! こういう時の大敵は”不安と恐怖心”です。大きな声で歌を歌いながら、余計なところは見ずに足下だけ見て、進みました。時間は計らなかったけど、4、5分くらいだったような気がします。もっと短かったかも・・・

向こうの出口が見え、外に出たときは本当にホッとして少し強くなった気がしました。やがて天目山温泉の建物が見えてきました。食堂部はもう終わっていたので、仕方なくバス停のベンチで昆布茶など飲みながら待っていると、30分ほどして天目行きの村営バスが来ました。一緒に待っていた地元の人が「寒いから、乗って待ってましょう」と言って乗り込んだので、私も乗りました。終点の天目からは、山間の向こうに富士山の頭が見えてびっくり。今日は最後まで富士山に見守られました。感謝です。そのまま折り返し、甲斐大和駅へ向かいましたが、運賃は100円でとても親切なバスでした。




霧の漂う幻想的な牛ノ寝通りは、とても静かな広葉樹の道で大好きな散歩道になりました。小金沢連嶺は大きなアップダウンもなく、針葉樹林や笹原、広葉樹林や花畑、そして雄大な眺望と変化に富んでとても楽しい山稜でした。快晴の下、終日初雪姿の富士山を眺めながらの縦走で、雨も晴れもそれぞれ味わい深く、今年一番の印象に残る山旅になりました。



前日の牛ノ寝通り    HOME    山域別    次回の蕎麦粒山