牛ノ寝通り・大菩薩峠

うしのねどおり・だいぼさつとうげ
2005年10月22日(土)~23日(日)


牛ノ寝通りは、大菩薩峠から東の三頭山方面へ延びる長大な尾根で、
広葉樹林の広がるゆったりとした道は、以前からずっと歩きたいと思っていました。
南へ延びる小金沢からの山々も小金沢連嶺と呼ばれ、ここも憧れの山域でした。
紅葉もそろそろかなと牛ノ寝通りを登り、翌日は富士山を正面に幾つも山を越えようと思います。


2005.10.22(土) 川久保_モロクボ平_大ダワ_榧ノ尾山_長峰分岐_石丸峠_大菩薩峠_介山荘
曇り
一時小雨
 08:15着
 08:15発
09:25
09:30
10:25
10:35
12:00
12:40
13:5514:20
14:30
15:00
15:05
15:05着



曇り空の今日、奥多摩駅7:30発の小菅行きのバスは乗客6,7人で、皆 途中で降りました。最後は私一人になり、川久保で下車。牛ノ寝通りへの道標はないので、少し先まで歩いて行くと橋がありました。渡ると新しそうな道が右上に延びていますが、ちょっと違う感じ。左下を見ると、小さな道標のような物が見えたので下りてみました。


牛ノ寝通り 登山口
【牛ノ寝通り 登山口】

ここが牛ノ寝通り登山口でした。
立派な道標ですが、バス停からはちょっと分かりにくい所です。右の道の先に、渡って来た橋があります。


民家の脇を登って行くとすぐ植林で、大きく九十九折れに急登して行きます。45分程で植林を抜けると、ここからは雑木林。道もなだらかになって、気持ちのいい道になりました。どんより曇っていますが、まだ雨は大丈夫そうです。

やがて樹林の中にモロクボ平の道標が見えて来ました。小菅の湯へ分岐がある平坦な所です。

辺りは紅葉には早いものの、モミジやカエデ、ミスナラなどの広葉樹林で気持ちいい。あれこれ葉っぱを眺めながら休憩タイム。


モロクボ平
【モロクボ平は小菅の湯分岐】
カツラの黄葉
【黄葉カツラのいい匂い】

モロクボ平から、道は山の斜面を巻くようになり、所々で焼プリンのカラメルソースのような香ばしい、いい匂いがして来ました。秋になると匂うカツラの木で、黄葉がきれいですが、もうだいぶ落葉している木もあります。


曇っていますが、しっとりとした気持ちいい道を進んで行くと、小さな雨音がパラパラと聞こえてきました。とうとう降ってきたようです。でも大した降りにはなりそうもないので、スパッツだけで傘を差して歩きました。広葉樹林帯は晴れていれば最高ですが、雨もまた風情があってなかなかいいものです。霧がかかってくると、またとても幻想的。でも明日は稜線歩きなので、冬型になるという天気予報は絶対当たって欲しいと思いながら歩いていると、いつの間にか雨は止んでいました。

やがて松姫峠分岐の道標が見え、標柱には棚倉と書かれていました。この通りが今日のメインの牛ノ寝通りで、右へ行くと開けた伐採地があります。

南と北は見晴らしもよさそうですが、今はガスっていて何も見えません。切り株などあって休憩にいい所です。


大ダワ
【大ダワ】
牛ノ寝通り
【牛ノ寝通りは山の散歩道】

この先からは牛ノ寝通りの名前どおり更に緩やか。単調かといえばそうでもなく、木々の葉もところどころ色付き、周りの景色も微妙に変化し、道も真っ直ぐだったり曲がったり。

まさに山の散歩道といった風情で、嬉しくてひとりでに笑ってしまいました。
私の一番のお気に入りの道になりそうです。


途中、巡視道という標識を二度見かけキノコ狩の人に出会っただけで榧ノ尾山へ着きました。

ここには人がいっぱいいてビックリ。ちょうどお昼なので私もここで昼食タイム。17人と5人のグループ二組がいて、上日川峠から来て小菅の湯へ下りるそうです。

そのうち皆さん出発して、また誰もいなくなりました。ここも南と北が開けていて、時々雲の切れ間から向かいの長峰の尾根が見えます。

榧ノ尾山
【榧ノ尾山は昼食タイム】

山道
【右の山道も魅力的】

榧ノ尾山から少し進むと今度は「山道」道標。
どこへ行くんだろう・・・
この道も楽しそう。

さっきの巡視道もわりとはっきりした道だったので、いつか日の長い季節にこの辺も歩いてみたいなあ。こういう脇道は、とっても魅力的!

この先からは段々登り気味になり、やがて下には熊笹が広がってきました。玉蝶山の下あたりだろうと思いますが、この辺から紅葉もきれいに色付いて来ます。

玉蝶山付近
【玉蝶山の下は紅葉も色付く】
長峰分岐近く
【長峰分岐近くの紅葉】

鮮やかな紅葉や黄葉も多くなりガスの切れ間から見える向こうの山肌は笹の緑にモザイクのような赤や黄色がちらっと見えてとてもきれい。

晴れていれば、もっと鮮やかで眺めも素晴らしいんだろうなあと、今日の曇り空が残念です。

やがて空が明るくなって木々の間から、向こうの尾根が見えてきました。
柔らかな色彩の紅葉が全体に広がって、とてもきれいです。

淡い紅葉
【向こうの尾根も淡い紅葉】

玉蝶山は気付かずに通り過ぎ、長峰の分岐の道標に出ました。細い踏み跡はありますが、余り歩かれている様子はありません。歩く向きが変わり、紅葉も一段と鮮やかになって、見上げる空も随分明るくなって来ました。

最後は緩やかな登りで大菩薩連嶺の稜線に出ました。左が狼平、右が石丸峠の分岐で、ここで一気に展望が開け目の前には小金沢山が見えます。時々日も差して来て、青空も見えて来ました。うれしい~!!


石丸峠
【石丸峠から見た熊沢山】

石丸峠に着いても富士山はまだ雲の中ですが、明日は予報どおり晴れそうです。あとは熊沢山を越えるだけなので、気持ちのいい笹原を眺めながら休憩しました。

色付いた葉に、ダケカンバの白い幹が映え印象的でした。


狼平の笹原は緑の中に赤や黄がポツポツと点在していますが、今は曇ってくすんで見えます。
明日晴れてもやっぱり朝日の陰になるので、今、日が差して欲しいけど、やっぱり無理そう。
でも、明日はあの稜線をずーっと歩きます。気持ちよさそう~!

狼平
【石丸峠~狼平~小金沢山】

狼平を振り返り見ながら笹斜面を登り、針葉樹林の熊沢山を越えると、介山荘が見えてきました。この時間でも、まだ日帰りの人がけっこういます。上日川峠に車があれば、時間を気にしなくてもいいのでしょうね。

宿泊手続きを済ませ、スト-ブのある談話室でしばらく休憩しました。お茶はポットから自由に飲め、一人づつお煎餅も用意されています。指定されたテーブルは単独の男性3人で、皆さんこの山荘の常連さんのようです。今の若主人が小さい時から知っているという人や、一升瓶を持って来た人もいて(ここに置いているのかも)、和気あいあい。私も仲間に入れて頂き、この山域の様子など教えていただきました。

一段落後、大菩薩峠から雷岩あたりの紅葉はどんなかなと親不知ノ頭まで行ってみました。

今年は秋の天候が不順で、赤くならずに落葉しているものや茶色い葉が多いようで避難小屋周辺の斜面も余り冴えません。上日川峠ダムの方は、いくらか紅葉している木々もありました。

介山荘の周辺も、もう紅葉の時期は過ぎたようです。


介山荘
【介山荘を振り返る】
夕焼け
【雨雲は・・・風と共に去りぬ】

夕方になると風も出て来て4時50分頃、太陽が沈んでいきました。その後はきれいな夕焼け。

明日の冷え込みが予想されますが、晴れてくれるのは何と言ってもうれしい。


介山荘は一人一枚の布団を確保出来るよう、予約制になっています。今日は40人くらいのようで、とても家庭的な雰囲気でした。食事はおみやげ通りの向かいの棟で、夕食はカレーライスですが、サラダや副菜、果物も付いて食前には地元ワインが出ました。宿泊記念にボールペンのおみやげもあり、サービス満点です。

夜、外に出てみると、すごい強風。空には星がいっぱいで、明日の快晴は間違いない!
ニコニコしながら布団に入りました。



前回の倉岳山   HOME    山域別    翌日の小金沢連嶺