鳳凰三山

やくしだけ(2780m) ・ かんのんだけ (2840m) ・ じぞうだけ(2764m)
2005年8月20日(土)〜21日(日)


2005.8.21(日) 南御室
 小屋
_砂払岳_薬師岳_観音岳_アカヌケ
沢ノ頭
_地蔵岳_鳳凰
小屋
_五色滝_南精進
_青木
鉱泉
晴れのち
曇り
 04:30発05:40
06:00
06:20
06:25
06:55
07:25
08:40
08:45
08:50
09:35
10:00
10:30
11:10
11:20
13:10
13:20
14:35着
15:00発



朝になり、少しでも早く登ればもしかしたら白峰三山が見えるかも知れないと思い、4時前に起床。外に出て空を見上げれば、まだ星が光っていました。うれしい。朝食は頼んでないので、お湯を湧かし熱いココアを飲んで出発。まだ暗い樹林帯なので、しばらくはヘッドランプが必要です。初めての経験ですが、余り見通しのいいものではありません(当たり前ですが)。ヘッデンで歩くというのは、周囲が見えないので通い慣れた道かはっきりした一本道でないと道迷いの危険もあるだろうなあと思いながら歩きました。

だんだん明るくなり、右の樹間がオレンジ色になって来ました。上空に雲はないので早めに森林限界を抜けたいと思いましたが、「ガマの岩」と呼ばれる大岩の手前で太陽が昇って来ました。

樹間から西側が少し見えましたが、白峰三山の稜線にはもう雲が掛かっています。天気予報では今日は曇りなので、朝からこれじゃあもう無理と思いながら歩き、ようやく森林限界を出ました。


日の出
【日の出】

砂払岳の手前で稜線に出ます。白峰三山には薄いピンクの雲がかかっていますが、写真は今しかないと思い、急いでカメラを向けました。北岳はバットレスがはっきり見えますが、間ノ岳や農鳥岳は多分あの辺だろうなという感じです。右端の雲の下は、甲斐駒ヶ岳辺りかなあ。富士山は・・・後ろを振り向いても雲が多く、どこにいるのやら見当もつきません。

白峰三山
【ピンクの雲がかかる白峰三山】

砂払岳
【砂払岳から見た観音岳(左)と薬師岳(右)】

砂払岳で、気持ちのいい青空を見ながら朝食を済ませて出発。この辺りからは白砂にハイマツの緑が映え、山歩きというより展望のいい庭園歩きといった感じです。

あちこちの岩陰に、可愛いピンクのタカネビランジが見えてきました。

巨岩を下ると、窪地に薬師小屋がひっそりと建っていました。この小屋の水は、雨水だけに頼っているそうです。

登り返して薬師岳に着きました。ここは広い山頂ですが、この時はもうガスに覆われ周囲は殆ど見えませんでした。

薬師岳
【薬師岳はガス】
観音岳
【観音岳から薬師岳を振り返る】

あちこちに咲くタカネビランジを見ながら緩やかに下って登り返すと、次は縦長の岩が集まって出来たような観音岳です。

ガスは晴れましたが白峰三山はもうすっかり隠れ、振り返れば今来た薬師岳と砂払岳が隠れそうになりながらもなんとか見えています。岩ゴツゴツの山頂ですが、時々雲が薄れ前後の稜線が見えるので嬉しく、休憩が長くなってしまいました。


この先の下りはやや急で、この辺りから岩の間にホウオウシャジンを見かけるようになりました。紫色のきれいな花です。その先のダケカンバやシラビソの下にはトウヤクリンドウ、サラシナショウマやミヤマトリカブト、キオン、ナンブアザミなどが咲いています。

木立を抜けると、向こうにアカヌケ沢ノ頭と地蔵岳のオベリスクが見えて来ました。

白砂の斜面を鞍部まで下ると、右に鳳凰小屋への近道が下りています。鞍部周辺にはタカネビランジの他に、タイツリオウギやヤマホタルブクロ、コバノコゴメグサ、オンタデなども咲いていました。


アカヌケ沢ノ頭と地蔵岳
【向こうにアカヌケ沢ノ頭と地蔵岳】
タカネビランジ
【鳳凰三山はタカネビランジがいっぱい】

タカネビランジは、鳳凰三山すべてでずっと咲いていました。

全体に、色の薄い株ほど咲き終わった花が多く、濃い株はまだ蕾もあってきれいです。


タカネビランジのいろいろ

シロバナタカネビランジ

薄いピンクのタカネビランジ

濃いピンクのタカネビランジ

4姉妹のタカネビランジ

登り返すとオベリスクが随分近くに見えて来ました。

狭まってきた尾根を進むとアカヌケ沢ノ頭で、狭い山頂です。

アカヌケ沢ノ頭
【アカヌケ沢ノ頭】
子授け地蔵
【子授け地蔵】

右の斜面を少し下って、オベリスクの正面に出ました。ケルンのある賽ノ河原にザックを置いて、先ずはお地蔵様に御挨拶。

鳳凰三山の象徴のようなオベリスクは手前に花が多く、特にヒメシャジンがいっぱい群生していました。

オベリスクはゴツゴツとした岩山で足場はいっぱいあります。ジャングルジムみたいで面白そうなので、行ける所まで行ってみようとザックを置いて登ってみました。かなりの傾斜の所もありますが短く、三点支持を守れば大丈夫です。

オベリスク
【地蔵岳・オベリスク】
直下
【直下のザイル】

上部で後ろに回り込むと、隣り合った岩に「ホーオ三山」とプレートが埋め込まれて、下に幅50cmくらいの隙間がありました。そこをくぐって行くと最後の垂直岩の真下に出ます。上から6、7mくらいのザイルが下がっていますが、足場はありません。狭くて怖そうなてっぺんに立つ気はないので、見上げるだけで引き返しました。

慎重に下り、お地蔵様の所まで来ました。途中の岩の隙間にもホウオウシャジンが咲いています。この花は、どことなく雰囲気のある花だなあと思いました。


シャジンのいろいろ

ホウオウシャジン

ホウオウシャジン

ミヤマシャジン(?)

ヒメシャジン群生


相変わらず展望はないけれど、周辺の景色を眺めながらひと休み。あとは樹林帯の長い下りです。このすぐ下は白砂の急斜面で、登りの時はちょっと辛そうな所でした。

樹林帯に入り、やがて沢音が聞こえて来るとまもなく鳳凰小屋です。ここの水場も沢から水が引かれ、常時冷たい水が流れています。この下にはヤナギランがいっぱい咲いていました。夜叉神峠より標高が高いので蕾も多く、今は5,6分咲きといった感じです。小屋前のベンチは昼食中の人がいっぱい。私も隅を借りてお昼にしました。鳳凰小屋のご主人は、下りて来る人たちみんなに御座石鉱泉への道を勧めていますが、私は滝を見たいのでドンドコ沢の道を下ります。下り始めは、それ程急坂ではなく、アキノキリンソウやソバナを見ながら下って行きました。

30分ほどするとだんだん急になり、五色滝近くなると段差のある所が出てくるようになりました。ガスが立ちこめているので見えるかなあと思いながらも、分岐から五色滝へ向かいました。

5分ほど行くと正面に滝があるようで大きな音がしていますが、ガスの中に白く流れ落ちる線がうっすら見えただけの幻の滝でした。


五色滝
【五色滝分岐】

分岐に戻り、更に降下。木の根や段差のある岩など確かに歩きにくい所はありますが、危険な所はありません。次の白糸滝の分岐に出ましたが、まだガスの中なのでこの滝はパス。林床は段々苔むしてきて、シダなどが多くなりツバメオモトの青い実、カニコウモリなど見かけながら下って行きました。


鳳凰ノ滝
【鳳凰ノ滝】

相変わらず急なのでそろそろ休もうかなと思いつつ、ようやく鳳凰滝の分岐に着きました。ここまで下るともうガスも晴れて来たので行ってみます。

7,8分ほど歩いて沢の上に出ましたが、この滝は遠い。近くに行く道もなさそうなので、滝の音を聞きながらしばらく休憩しました。

次の南精進滝は分岐から10分ほど歩きます。高さはそれ程ありませんが、水量は多そうで迫力のある音がしています。

2mくらいの岩を登れば滝の前まで行けますが、足場が少ないので注意して登りました。直下は水しぶきがいっぱいで、マイナスイオンたっぷりです。一番気持ちいい滝でした。

南精進滝
【南精進滝】

南精進滝を過ぎ、しばらくすると道も緩やかになります。山腹を巻くようになると、所々レンゲショウマが可愛い花を下げて咲いていました。やがて右の急斜面をジグザグに下りると、山側の道と川沿の道の分岐に出ます。右の川沿いの道を行くと、穂の出たすすきの河原道でシナノナデシコが沢山咲いていました。


青木鉱泉
【青木鉱泉】

ツリフネソウの咲く未舗装の林道を進み、やがて青木鉱泉に着きました。バス停は少し先へ下りた所で、マイクロバスが停まっていました。
韮崎駅まで1500円+ザック代200円です。



鳳凰三山は、晴れていれば青い空に白砂、ハイマツの緑、タカネビランジのピンクが映え素晴らしい展望の稜線歩きができるはずの山です。今回は盛夏のタカネビランジと晩夏のホウオウシャジンの両方の花を楽しんで来ましたが、今度はすっきり晴れている時に、もう一度歩きたいなあと思いました。



 鳳凰三山の花々



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