本社ヶ丸・鶴ヶ鳥屋山

ほんじゃがまる(1630m)・つるがとやさん(1374m)


大月の先、本社ヶ丸と鶴ヶ鳥屋山は普段から静かな山域のようです。
新緑の頃に来れなかったので、ちょっと遅れて来てみましたが・・・


2005.7.16(土) 天下茶屋_八丁峠_清八山_本社ヶ丸_笹子駅分岐_鶴ヶ鳥屋山_登山口_初狩駅
曇り 09:25着
 09:30発
10:25
10:35
11:20
11:25
12:00
12:35
13:45
13:50
14:35
14:45
16:0016:50着
17:08発



金曜日の予報では、連休の天気でよさそうなのは土曜日だけだったので、近場の山へ行くことにしました。去年春の本社ヶ丸では鶴ヶ鳥屋山まで足を延ばせなかったので、今回は初狩駅まで歩こうと思います。

富士急行線の河口湖駅から8:50発天下茶屋行きのバスに乗ります。夏の今はさすがに空いていて、その殆どの人が三ッ峠登山口で降りました。終点の天下茶屋から、今日はうっすらながらも富士山が見えています。右にトイレ、左に登山口があります。


旧御坂峠
【旧御坂峠】

しばらくは段々の急坂ですが、広葉樹林の気持ちのいい登りです。

所々にヒメシャラの散った花を足下に見ながら、旧御坂峠に着きました。
今日は本社ヶ丸へ行くので右へ折れます。バスで一緒だった3,4人は黒岳方面へ行くようで、ここからは誰もいなくなりました。


あちこちにコキンレイカ、シモツケソウの咲く道を登って行くと小さなピーク。この先ではヤマオダマキも見かけました。この後、何度か緩やかなアップダウンを繰り返します。

クガイソウの蕾やウスユキソウの花を見ながら進んで行くと開けた送電鉄塔の下に出て、ここに「八丁峠」の標識が立っていました。
あまり峠っぽくない峠です。

ギボウシも沢山咲いていて、下から見回り道が上がって来ていました。花が咲いていたのはこの辺りまでで、この先はあまり花も見かけなくなります。


八丁峠
【八丁峠 向こうは大幡山】


コキンレイカ

シモツケソウ

ヤマオダマキ

ウスユキソウ

この先が八丁山のようですが、山頂はどこか気付かず通り過ぎてしまいました。なだらかな八丁山は、余り歩く人がいないのか潅木と夏草が迫り、蒸し暑い。下る途中に、りっぱな道標があって女坂峠への道が分かれていました。私の地図にはないけれど、境界線上に道があるようです。


清八山
【清八山】

清八山の手前の小ピークに着きました。
すぐ先に清八山の山頂が見えますが、6、7人のグループが到着したようなので、ここで休憩する事にします。

正面に三ツ峠と富士山が見え展望はいい所ですが、やはり雲が多くすっきりしません。


清八山のグループは、一人の女性が暑さに参った様子で木陰でグッタリ、別の女性が介抱していました。今日は「冷えピタシート」を持って来なかったので差し上げられませんでしたが、こんな時、首の後ろに貼ると涼しく、バンダナを巻けば目立たないので便利です。私はいつも一人なので、万一に備えビバーク用に「貼るホッカイロ」、夏は熱中症用に「冷えピタシート」をザックの底に入れていました。今日はまだ入れてなかったので、ザックの中身も夏に向けて点検しないといけないなあと思いました。

急坂を下るとすぐ清八峠。
晴れて明るい雪の頃と違って、今日は緑に囲まれて落ち着いた雰囲気です。


清八峠
【清八峠】
富士山
【富士山】

この先の岩の上から眺める富士山は雲間にうっすら見えるだけで今日は一日こんな感じです。

木々の中の白い点々はヤマボウシの花で、あちこちでよく見かけました。


にせピークを越え直下の岩をよじ登れば本社ケ丸 山頂です。ご夫婦が一組だけお昼の準備をしていました。今日は八ヶ岳も南アルプスも、遠くは何も見えません。

相変わらず薄日が差して風もなく、団扇もまだザックに入れてなかったので地図でパタパタしつつ、昼食。

小さな羽虫だけでなく蜂もやってきたので、もう出発し鶴ヶ鳥屋山へ向かいます。

本社ヶ丸
本社ヶ丸

ブナ
【ブナ、ミズナラ林】



しばらくはブナやミズナラの気持ちのいい道。
林床には、小さな蕾をボンボリのように下げたレンゲショウマがあちこち見られ、8月になれば可愛い花がたくさん見られそうな林でした。


所々の急坂を黒い階段で下り、更に進むと笹原の開けた所に出ます。送電鉄塔があり、下は「宝の山ふれあいの里」への分岐になっています。ここからは鶴ヶ鳥屋山方面がよく見えますが、まだ幾つかアップダウンがありそうです。笹原を下って登り返しますがここからの道も雰囲気がよく、時々ヒメシャラの白い花がいっぱい散っている木がありました。1377地点(角研山)からは右に下り、次のピークは雪の頃と違って真っ直ぐに道がついていました。

バラバラになったヤグラ跡を過ぎると、笹子駅分岐に出ました。しばし休憩。

今日はこのまま真っ直ぐ行って、鶴ヶ鳥屋山へ向かいます。


笹子駅分岐
【笹子駅分岐】


相変わらず緑深い広葉樹林の道ですが、右手にモミの木が増えて来ました。小さなアップダウンで、西方面の見晴らしがいい明るい所に出ました。


本社ヶ丸
【正面に本社ヶ丸】

正面に本社ヶ丸が大きく見えていますが、雲がちょっと多くなってきました。さっきの笹原の送電鉄塔も、尾根上にうっすら見えます。

このあとはなだらかで、所々ブナの大木もある雰囲気のいい道です。


最後のピーク、鶴ヶ鳥屋山に着きました。
下にはヤマボウシの木が数本あって、白い花をいっぱい咲かせています。

ちょっと空が暗くなって、風も出て来て涼しくなってきました。やがて遠くからゴロゴロ。
今日はまだ先がけっこうあるので雨は困るなあと思っていましたが、雷鳴は北東方面でちょっと遠そう。なんとか大丈夫だろうと最後の休憩にしました。

鶴ヶ鳥屋山
鶴ヶ鳥屋山

飴をひとつ口に入れて、さて出発。この後の下りはとても急で、頼り無気なロープが下がっています。木につかまりながら転げ落ちそうな坂を慎重に下りました。


鶴ヶ鳥屋山の下り
【急坂の先、鶴ヶ鳥屋山の下り】



ようやく下り、気が着いた時はもう雷鳴は聞こえず空は明るく日が差してきました。

この後は緩やかに下って、小さな階段で車道に下り立ちました。


右へ少し行ったカーブミラーの所に道標があり、登り気味に道が続いていました。この後は、右に赤松を見ながら単調な下りがずっと続きます。小さな沢を渡ると、目の前は草茫々。かき分けるような細い道がついています。”えーっ・・・こんなとこ通るの?”と、一瞬戸惑いましたが、他に道がないのでザワザワと通り抜けるとすぐ林道に飛び出しました。

地図には入口不明瞭と記されていますが、本当にここは道標がなければ登山口とは思えないような所です。本社ヶ丸からは誰にも会いませんでした。


鶴ヶ鳥屋山登山口
【左の草叢の中が鶴ヶ鳥屋山登山口】


未舗装の林道を進めば、やがて車道に出ます。あとは左へ真っ直ぐ行くだけ。右前方に、去年の暮れ高川山の帰りに歩いた大岩や屏風岩が見えます。田圃には、青々とした稲が風にそよいで昼間の暑さを忘れさせてくれました。


本社ヶ丸は、手頃な岩や気持ちのいいブナ林、晴れていれば展望も良くやはり楽しい山でした。おととし8月に御坂黒岳へ行った時は涼しかったので、今日もバスで上がれば、あとは風に吹かれながら楽しい尾根歩きと思っていましたが、そもそも天気が違いました。この時期歩くには、やはり暑すぎ。でも静かないいルートなので、また季節を変えて来たいなあと思います。



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