新松田駅始発の西丹沢行きバスで、玄倉で降りたのは4,5人ですが、きっとこの前の増発バスでも何人か降りていることでしょう。丹沢湖の向こうには、白くなった富士山がうっすら見えて、今日は春のように穏やかな天気です。
まずは小川谷出合に向けて北上します。立派な橋や小さな発電所を見ながら進むと、やがてやや広めの河原が見えて来ました。朝日の当たる対岸の紅葉は色付いているもののまだもう少し早いようです。 小川谷出合から右に折れ、しばらくするとゲートが見えてきました。手前の駐車場は割と広く、20台くらいは駐車できそうですが、既に半分以上いっぱいで出発の準備をしている人達もいます。この先からは人も多くなってきました。よかった。
玄倉林道では8つのトンネルを通らなくてはなりません。第二番目の青崩隧道は、中でカーブしているため真っ暗との事。私は出口の見えない真っ暗なトンネルはとんでもなく苦手。ここがネックでなかなかユーシンへ行けませんでした。でも今日は紅葉にはいい頃で快晴の日曜日。きっと玄倉林道を通る人も多いのでは、と思って出かけてきたので前後に人がいるとうれしい。 |
向こうに青崩隧道の四角い入口が見えてきました。左の木々の向こうに柱が並んでいる所が、カーブの先の出口です。
懐中電灯で足元を照らしながら入っていきます。少し前を行く観光ふうの二人連れはライトを持ってないようで、男性が「見えない、見えない」と言っているけど、女性は「見えるわよ、大丈夫よ」と頼もしい。後ろのハイキング姿の御夫婦の話し声と、前後で声が聞こえるので少しも怖くありませんでした。よかった~
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【青崩隧道が見えてきた】 |
【綺麗な色の玄倉川】 |
次のトンネルの先には小さな玄倉ダムがあります。この辺りの水はエメラルドグリーンで、日の当たっている所は紅葉も川の色もとても綺麗です。
小さな発電所を過ぎ、短いトンネルを幾つか過ぎると河原が広くなってきました。 |
奥まった上流に、思いがけない広い河原です。気持ち良さそうなので下りてみました。上流方向には弁当沢ノ頭や蛭ヶ岳が見えています。
最後の第八隧道を過ぎるとすぐ右に山神峠への道標があり、更に進むと雨山橋があります。 |
【第八隧道手前の広い河原】 |
【雨山峠 登山口】 |
雨山橋の少し先、右の植林に雨山峠への道標があり「荒天時注意」の看板が立っています。
ここから右岸に沿った緩やかな道を登ります。 |
桟橋が多く、よく整備されていました。 なかには工事現場のような金属製の階段もあり、ちょっと風情はありませんが、崩壊しやすい場所らしいので安全第一。
紅葉のきれいな静かな沢で、この道では誰にも会いませんでした。昔の峠道らしく、しっとりとしたいい道です。 |
【雨山沢沿いの桟道】 |
【雨山峠】 |
着いた雨山峠は十字路になっていて狭いけれどいかにも峠という感じの所です。富士山が見えるらしいのですが、今日は霞んで見えません。
反対側の寄沢から上がって来た人達が美味しそうなご馳走をいっぱい並べて昼食を始めたところでした。
右は雨山など通って秦野峠への道、休憩後左の鍋割峠へ向かいます。
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短いザレの急坂を過ぎると平坦になり、気持ちのいい尾根道になります。
茅ノ木棚沢が近づくと、きれいな紅葉が目立って来ました。でも下には、赤くなれずに散ってしまった落ち葉がいっぱい。秋の長雨と台風で、今年はどこもイマイチ紅葉が冴えません。きれいな年なら、この辺はカエデが多いのできっと鮮やかな事でしょう。
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【茅ノ木棚沢ノ頭手前の紅葉】 |
この先に短い鎖場があります。地図では危険マークの所ですが、足元をよく見て通れば大丈夫です。上はヤセ尾根になり、小さなピークの茅ノ木棚沢ノ頭の辺りからは、左の木々の間から、蛭ヶ岳の稜線や東沢堰堤の段々が正面によく見えます。 |
【右へカーブすると真っ直ぐな鎖場】 |
この先の鎖場は長く、手前は足場もありますが、途中から右へカーブすると傾斜も強くなり、スルッと一直線です。 誰もが体重をかけて登るようで、2ヶ所のボルトは抜けたままでした。てっぺんは3点でしっかり確保されているので大丈夫です。
上の1108地点辺りからは、ブナ林の平坦な気持ちのいい散歩道です。 |
少し行った先に鍋割峠がありました。 すぐ先の南面は明るい草地で、全体にゆったりとした感じの峠です。ここへは上の鍋割山から何人か下りて来て、右の寄方面へ向かって行きました。
この上からは蛭ヶ岳もよく見えます。 |
【淡い紅葉の木漏れ日がきれいな鍋割峠】 |
【鍋割山】 |
土止段の急坂を登って鍋割山頂に着きました。 相変わらず多くの人で賑わっています。ここの名物、具沢山の鍋焼きうどんを、またおいしく頂きました。
山荘前の広い草の上で、コーヒーを飲みつつ休憩。ここからの富士山もとてもステキなんですが、今日も霞んで見えません。 |
帰りは訓練所尾根を下りるので、鍋割山の東のブナ林へ向かいます。
少し先、左手に蛭ヶ岳が大きく見える所があり、今日は秋晴れですが、山は春のように水分の多い空気。正面の蛭ヶ岳も薄く靄がかかったように見えていました。 |
【蛭ヶ岳~丹沢山】 |
【鍋割山稜のブナの散歩道】 |
二俣分岐へ向かうこの鍋割山の稜線は、いつ来ても気持ちのいいブナの散歩道。
吹き抜ける風も、今日は穏やかです。 |
二俣分岐を右に折れると広い草地に出て、すっきりした日は下の秦野市の街並みも見渡せるのですが、今日はもやっとしていました。アセビなどの低木帯を過ぎると、植林と広葉樹が交互に現れるやや急な下りになります。 |
上の方は所々紅葉していましたが、やはり少なめです。745地点辺りは西側の黄葉がきれいでした。下の方はモミジも多いのですが、まだ緑色のままです。 |
【745地点辺りの紅葉】 |
林道に下り左折するとすぐ二俣の勘七沢ですが、今日は水量も多く、そのまま横切れず丸太橋を渡りました。あとは長い西山林道を、大倉までひたすら歩くだけです。
鍋割山の雨山峠ルートは、静かで変化があり楽しい道でした。きちんと整備されているので、注意して歩けば特に危険な所はありません。玄倉林道は本当に紅葉のきれいな所でしたが、例年はもっときれいな事でしょう。暗いトンネルを無事に通れて感謝でした。
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