甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳


2004年10月16日(土)〜10月17日(日)

甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳は、北岳に次いで南アルプス北部の代表的な山。
7月に広河原から引き返してしまったので、秋に再度挑戦しました。


2004.10.16(土) 北沢峠_仙水小屋_仙水峠_駒津峰_甲斐駒ヶ岳_駒津峰_双児山_長衛荘
曇り 07:20着
 07:50発
08:35
08:40
09:15
09:25
11:20
12:05
13:40
14:00
15:15
15:25
15:55
16:05
17:30着
18:00食



7月の時と同じように、八王子0:40発の夜行列車で甲府2:20着。今回は、外は寒いので改札口前の通路で横になったりしながら待機、4:30発のバスに乗って広河原へ向かいました。途中から明け始めた空はどんよりと曇り、所々残っている紅葉はぼんやりくすんで見えました。広河原で6:50発のバスに乗り換え、ようやく北沢峠に着きました。


北沢峠
【北沢峠と長衛荘】

原生林に囲まれたバス停の前には長衛荘や立派なトイレがあります。

予約してある長衛荘のベンチで朝食を済ませ一休み。不要な荷物を預けようかと思いましたが、自炊ではないので殆どが一日に必要な基本的装備、何かあったら困ると思いそのまま出発しました。


林道を少し戻り左折、北沢長衛小屋とキャンプ場を見ながら進み、沢を渡ります。この辺はまだ少し紅葉が残っていました。緩い登りで仙水小屋に着きましたが、朝の時間はもう終わり、今は「立ち入り禁止」のロープが張られています。上に狭いテント場がありました。

この先もそれ程急ではないのですが、今日はちょっとペースが上がりません。乗換え夜行だったので殆ど寝ていませんが、一昨年も同じようにして北岳に登り、特に変わった事はありませんでした。普段から余り眠れないほうなので、一日くらい眠らなくても大丈夫でしたが今日はちょっとヘンです。

ゆっくり歩きながら、やがて左斜面が岩ゴロゴロの岩塊地帯になって来ました。
シャクナゲや苔の岩などの間を抜けると広くなり、辺り一面岩だらけです。

途中で振り返ると、正面にのびやかな仙丈ヶ岳が広がっていました。


岩塊地帯
【仙水峠手前の岩塊地帯】
仙水峠と甲斐駒ヶ岳
【仙水峠から見た甲斐駒ヶ岳と摩利支天】

左にややカーブしながら緩やかに登って、仙水峠に着きました。
目の前に摩利支天が高く迫り、そのすぐ後ろに甲斐駒ヶ岳が見えています。

イマイチペースが上がらないままだったなあ、と思いながら山頂を見上げつつ休憩。
さて、次は急登。頑張らなきゃと出発しましたが、ここからが大変でした。


少し登ると苦しい。息が上がりハァハァというのは時々ある事ですが、今日は心臓がいつものドキ・ドキ・ドキ・ドキではなく、ドッ!ドッ!ドッ!ドッ! と大きく鳴っています。立ち止まるとしばらくして治まるのですが、また少し登るとハアハア! ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!・・・こんな事は初めてです。
高山病の経験はありませんが、もしそうなら下りなくてはいけません。でもまだ2300mくらいです。頭痛も吐き気も眠気もないので、ゆっくり登れば大丈夫そうです。立ち止まる回数も多くなり、時々振り返って見える後ろの栗沢山で、自分の位置が少しづつ上がっていくのがわかり励みになりました。


コースタイム1時間半を2時間かかって、やっとの思いで駒津峰に着きました。
今日は曇りと思っていましたが、西の方は雲がなく北アルプス方面は、くっきり快晴!
立山や剱、白馬や鹿島槍などの後立山が新雪で真っ白に輝いています。
乗鞍や笠ヶ岳も白く、槍と穂高、大キレットがはっきりと見えています。
こちら側が雲の中なので、アルプス方面がスポットライトに照らされているように見えます。
こんなにはっきりと遠くが見渡せたのは、初めてです。なんて、きれいなんでしょう。

北アルプス
【鋸岳の向こうに新雪の立山】

感激してしばらく素晴らしい眺めに見入っていましたが、写真を撮り終わったら急に疲れていたのを思い出しました。
「あ〜〜〜 ヤレヤレ」とザックを下ろし、
シートを広げて、しばし横になりました。

山頂でのお昼を予定していましたが、ここで食べた方がよさそうです。食欲は余りないけれど、とにかく食べて荷物は少し置いて行くことにしました。半分くらいの物をシートに包んでハイマツの傍に置き、出発。


駒津峰から見た甲斐駒ヶ岳
【駒津峰から見た甲斐駒ヶ岳】

この先はヤセ尾根の下り、足元に気をつけながらも苦しい登りから開放されてホッとしました。歩きにくい六方石を過ぎて、直登コースとトラバースコースの分岐です。本当は面白そうな直登コースを行く予定でしたが、今日はやっぱり無理そうで諦めました。

ここからは花崗岩の斜面を緩く登ります。削れている所や、掘られたような所もあって歩きにくい。しばらくして左へ上り、また急になるとドッドッドッが始まりました。またまた、ゆっくりゆっくり進みます。ここからも、とても長く感じました。

今日は4時頃には小屋に着く予定でしたが、とても無理。いくら予約してあるとはいえ、余り遅くなって到着するのは失礼だし、暗くなれば心配をかけてしまいます。下りてくる人の中に長衛荘泊まりの人がいないかと声をかけながら登って行き、山頂近くで出会った3人組に到着が遅くなる旨の伝言をお願いしました。


甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ヶ岳

やっとやっとの甲斐駒ヶ岳 山頂です。
立派な祠に、無事な到着を感謝して手を合わせました。

北アルプス方面以外は雲の下ですが遠望は利き、オベリスクがはっきりわかる鳳凰三山の上に富士山が見えています。

コーヒーを飲みつつ、周りの景色をぼーっと眺めながら20分程休憩しました。

伝言も頼んだし、後は下りと思うと気も楽になり、下山開始。

しかし、白砂のような花崗岩のガレの急斜面は神経を使います。滑り落ちないように気をつけながら、ここでもゆっくり下りました。

花崗岩
【花崗岩の急斜面】
六方石
【六方石の先にも登りが・・・】

駒津峰との鞍部の六方石が見える所まで戻りました。その向こうにまた登りが見えています。

”あんな所、下ったかしら” と、ため息。アップダウンは好きな方ですが、今日ばかりは下りだけがいい。


歩きにくい六方石を過ぎての登り返しでは、ドッドッドッはなくなりましたが、ハァハァは相変わらずです。2,3m程の小さな登りが何度も現れて、ここから駒津峰までも、またとても長く感じました。

ようやく駒津峰まで戻り、シートの荷物をザックに詰め直して下山開始です。双児山へ向けてハイマツの中、ゴロゴロした急坂を一旦大きく下りますが、ここは甲斐駒ヶ岳の山頂直下ほど神経を使う事もないので楽です。太陽が雲の端近くまで傾いて来たようで、空が少し明るくなって来ました。もう少しすれば雲から出て、夕日が見られる事でしょう。

双児山の登りにかかりましたが、これが最後の登りと思うと気も楽になり、ハァハァ言いながらも山頂に着きました。

しばらくすると太陽が出てきました。
今日、初めての太陽です。


双児山
【日が差してきた双児山】
甲斐駒ヶ岳
【双児山から振り返り見た甲斐駒ヶ岳】

振り返れば、薄日に照らされた甲斐駒ヶ岳がさっきより随分明るく白く見えています。
下りてきた登山道もすっきり見え、周りのダケカンバ林もよく見えます。
黄葉の頃は、きれいだったでしょうね。

ともかく無事に、ここまで来れて感謝。
あとは下りるだけです。


私は元々登りの方が好きで(早いわけではありません)下りは苦手でしたが、今日ほど下りを嬉しく思った事はありませんでした。樹林帯の下りはけっこう長かったけれど、木々の間から見上げる空は、だんだんピンクとオレンジのきれいな夕焼け色になってきました。途中で一回、明日に備えてストレッチ休憩をして、ヘッドランプのお世話にならずに小屋に着く事が出来ました。

でも、小屋に着いたとたん、疲れて食欲もない。周りの人達とお話しながら、少しずつ食べましたが、全部は無理。山小屋で食事を残すのはマナー違反ですが、ここは車も入れるので勘弁してもらいました。
北沢峠周辺の小屋は完全予約制ですが今日は満員、1枚に2人のスペースでした。家では飲みませんが、山小屋では睡眠導入剤を飲まないと眠れません。今日は早く寝ようといつもより早めに飲みましたがやはりすぐには眠れず、あっちの鼾とこっちの鼾を聞き比べているうちにいつの間にか眠れました。



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