檜洞丸への最短コースはバス終点からのつつじ新道ですが、今日は混雑を避け箒沢公園橋で降り、石棚経由で登ります。ここで降りるのはいつもは3,4人くらいですが、今日はさすがに多く10人以上のグループや、2,3人のグループも幾つかあり、ちょっとにぎやかです。
公園橋を渡り、植林の先の沢を徒渉して、しばらく平坦な道を行き木橋を渡ります。しばらく行くと左へ急登となり、ここから一時間はキツイ登りになります。鎖が掛けられ溝状にえぐれて滑りやすい所や、熊笹が迫っている狭い急登をこなして板小沢の頭に出ます。ようやく風の当たる所に出てきて、ほっとひと休み。ここからは楽しい尾根歩きです。やせた所もあるアップダウンを何度か繰り返し、露岩の急坂を登るとヤブ沢ノ頭で、そのすぐ先が石棚山です。 |
石棚山からは雰囲気のいいブナの道になり、トウゴクミツバツツジもポツポツ見えてきます。苔むした倒木や大きな枝を広げた大木もあり、西丹沢独特のしっとりとしたブナの森です。 登山者も少なく、野鳥もあちこちで声を掛けあっていました。 |
【石棚山付近】 |
【ブナ林】 |
やがてブナの根が波打つように露出して、ロープ柵で保護されている所に出ます。広いブナ林で公園風ですが雰囲気のいい所です。
林床には落ち葉がいっぱい。少し先の土止め階段の周りにはフジアザミが群生している所があります。尾根に上がってテシロノ頭近くなると、バイケイソウの葉が目立って来ました。
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ユーシン分岐を過ぎるとトウゴクミツバツツジもよく見掛けられるようになって来ましたが、花芽は少ないようです。一昨年が5~7年に一度の当たり年だったので、しばらくは少なめの年になるのでしょうか。つつじ新道に出たとたん、人が多くなって来ました。ゾロゾロ、いっぱい。 一昨年、ピンクと白が一面に広がっていた木道手前も今年は緑一色。それでも所々、頑張って咲いているツツジがとても健気です。
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山頂下の木道にはマルバダケブキやバイケイソウのみずみずしい濃い緑が広がっていました。
お目当ての”真っ白シロヤシオ”も今年はちらほら、しばらくは充電期間が続きそうです。 |
【山頂への木道】 |
檜洞丸山頂にはたくさんの人。多分、今日明日が一年で一番混む日でしょう。山頂付近はトウゴクミツバツツジもまだ蕾が多いようでした。昼食後、新しくなった青ヶ岳山荘のトイレを借りに行ってみました。
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【青ヶ岳山荘】 |
青ヶ岳山荘で見かけたこのおばあさん。「時間が早いので、もったいないから蛭ヶ岳まで行こうと思うの。」と小屋の人に話して出発して行かれました。 お一人で、シャンとして、とってもお元気! しばし後ろ姿に見とれてしまいました。 |
並んでいる間に霧が迫って来て辺りは幻想的。 上の山頂の混雑が遠い世界のよう。 |
【山頂は霧の中】 |
【檜洞丸】 |
霧におおわれた檜洞丸山頂からは、大勢いた人が次々下山していきます。 帰りは犬越路方面へ下りる人も多く、赤土の滑りやすい急斜面を気をつけて降ります。 晴れていれば、展望もよく富士山も見えるのですが、今日はこの先の熊笹の峰すら流れる霧の中です。 |
西に面したこの辺りのブナ林は、石棚山付近のブナ林とはちょっと趣が異なります。 林床には低い熊笹が広がり、枯れたブナが目立ち、全体に明るい感じになっています。 |
【熊笹の峰近く】 |
【大笄付近のシロヤシオ】 |
熊笹の峰を過ぎて見かけたこのシロヤシオは、今日見た中で一番きれい。 清々しい白が心に残ります。 |
大笄を過ぎると急降下が多くなり、鎖やはしごが設置されている所もあります。小笄からの鎖場は渋滞気味。下ってしばらく行き、振り返って見ると確かに急で、あの鎖場が山腹の緑の中にポッカリ白く見え、人が動いていました。
大笄小笄付近はちょうどトウゴクミツバツツジが見頃のようで、よく見かけられるようになりました。犬越路が近づくとトウゴクミツバツツジも少なくなってきます。 |
【小笄の先のトウゴクミツバツツジ】 |
犬越路には大勢の人が休んでいるので私もベンチで休憩する事にしました。女性二人が腰掛けていて、このお二人とちょっと話をしていると、「私、あなたに会った事あるわ。去年、丹沢山の小屋で私たちの隣だった人じゃない?」と言われ、改めてお顔を拝見すれば・・・ まあ~、びっくり! 去年、みやま山荘の布団の上で檜洞丸のトウゴクミツバツツジの話をしたお二人だったのを思い出しました。千葉方面の方たちで、今日は大室山へ登って来られたそうです。丹沢はあれ以来との事に二度びっくり。ご縁があるのね~としばし話が盛り上がりました。
最終バスに間に合うよう、あとはひたすら下りるだけ。用木沢の、以前は徒渉していた所に新しい木橋がつけられていました。木の香りがしています。来週は山頂のトウゴクミツバツツジも見頃だと思うので檜洞丸から丹沢三峰山へ縦走しようと思います。どうか晴れてくれますように! |