奥多摩駅8:30発の東日原行きのバスに乗り、川乗橋で下車。川苔山方面へ少し歩いた先にカーブミラーがあり、その左手の植林の中に細い道がありました。ここが蕎麦粒山の登山口のようで、始めからかなりの急登ですが、よく手入れされた植林ですっきりとしていました。木々の間から朝日が差し込み清々しく、小鳥もうれしそうにあちこちで鳴いています。
1時間以上の急登の後、作業用休憩場所のような丸太のある狭い草地に出ました。その先に大きな岩があり、脇の登りにくい急斜面を、ずり落ちそうになりながら登って行くと尾根に出ます。気持ちのいい広葉樹林になり、ほっと一息。新緑がとてもきれい。 |
【鳥屋戸尾根】 |
少し行くとまた急登で、更に次の尾根に上がりました。右側に松が何本か立ち、ここからの尾根道は所々にミツバツツジも咲く雰囲気のいい道です。
気持ちいいので、木々をながめながら休憩。 誰も来ない。静か。野鳥だけが鳴いています。 |
やがて長沢背稜の山によく見られるスズタケ(笹竹)が多くなってきました。笙ノ岩山はまだかな。しばらく平坦な道を行くと、左のスズタケの中に細い脇道があります。ひょっとしてと思い入ってみると・・・ |
11:00 ここが笙ノ岩山の山頂でした。 ちょっと狭い山頂ですが、周囲がなだらかなのであまり山頂という感じがしません。 |
【笙ノ岩山】 |
【塩地ノ頭付近】 |
山頂からスズタケの中の道を下って行くと再び緩やかな登りになり、やがて右側はアカマツ林になりました。木立から右側の山々も見え、川苔山が大きく見えていますが、目指す蕎麦粒山はまだ見えません。
この辺りが塩地ノ頭か松岩ノ頭のようで、しばらく進んで行くと、ようやくずっと先方に蕎麦粒山の尖がりが見えて来ました。 やれやれ、まだまだだ~
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道は所々平坦で、両脇がスズタケなので、ただひたすら歩きます。緩やかな登りが続き、時々木立の切れ間から見える蕎麦粒山も随分近づいて来ました。 |
【鳥屋戸尾根】 |
右側が植林になり、単調な歩きに飽きた頃、ようやく蕎麦粒山の巻き道と交差する十字路に出ました。あとは、ちょっとの急登だけです。普通、山頂近くになると人の声が聞こえて来るものなのに、今日はしーんとしています。思わず「誰もいない!うれしい!」と小さな声で叫んだら、山頂の小岩の横から誰かが顔を出して、びっくり! 慌てて会釈しました。 12:10 蕎麦粒山に着きました。山頂には単独行の男性が二人だけ、静かに寛いでいました。
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【蕎麦粒山 直下】 |
狭い山頂でお昼を食べているうちに、だんだん人も増え賑やかになってきました。風が冷たくなってきたので、ヤッケを着て出発。 ここからが今日のメイン。前回来て、すっかりお気に入りになった道です。
ずーっと防火帯の静かな道。 大好きな散歩道です。 |
麓の方はすっかり新緑になっていましたが、この辺りはまだ葉も若く、初々しい。
小鳥の声・・・ ひんやりとした風・・・・・ 気持ちのいい道です。 |
【気持ちのいい山の散歩道】 |
【新緑のトンネル】 |
緩く登り返して桂谷ノ峰を過ぎると左側にシラカバが数本。雰囲気のいい緩やかなアップダウンが続きます。
新緑のトンネル。 何度も振り返りつつ歩きます。 静かだな~~ |
有間山方面の分岐を過ぎ、緩やかに登り返すと露岩のある日向沢ノ峰。ここは西側が少し開けています。狭いけど明るく、見通しがいいので休憩にいい所。
正面には今朝登って来た鳥屋戸尾根が見え、右には蕎麦粒山も見えています。 晴れていれば、富士山も見えるはずですが・・・
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【日向沢ノ峰】 |
この先の踊平手前の大岩の上からは、正面に川苔山が良く見えます。3週間前はまだ枯色だった足毛岩付近のカラマツもきれいな青緑になっているようです。踊平に出ると林道は少しづつ延びて、そこまで来ていました。大丹波林道と、もう通じてしまったのかも知れません。赤杭尾根でも真名井沢からの林道が赤杭山頂の真下まで来ていたのを思い出しました。
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【防火帯から踊平方面を振り返る】 |
踊平から登り返して行くと、また防火帯になりました。瑞々しい新緑の中、ところどころにミツバツツジのピンクが見えます。
植林横の小ピークは急登で、下りも大変。ここは巻き道を通ったほうがよかったかも。 この小ピークを越えると間もなく曲ヶ岳です。 |
3:00 曲ヶ岳北峰に着きました。 霞んでいますが、蕎麦粒山から今日歩いた稜線が見え、遠くに三つドッケも見えています。
すぐ横の川苔山の方から、下山するグループのにぎやかな声が聞こえて来ました。静かだったのもここまでで、ここからは川苔山のメインルートで人も多くなります。舟井戸を過ぎると、あとは殆どが杉植林の中で、ただひたすら下山して行きました。
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【曲ヶ岳北峰から川苔山方面】 |
蕎麦粒山への直登ルート、鳥屋戸尾根は一度も人に会わず、小鳥がにぎやかな道でした。道標はまったくないけれど尾根伝いに登って行けばよく、道ははっきりしています。前半は急登ですが、笙ノ岩山からは小さなアップダウンを繰り返しながら、緩やかに登って行きました。天気はうす曇りでしたが新緑いっぱいの静かな山散歩を楽しめ、感謝の一日でした。 |