蝶ヶ岳


2003.5.3-4   上高地~長塀尾根~蝶ヶ岳~長塀尾根~上高地


蝶ヶ岳から見る穂高岳や槍ヶ岳は素晴らしく、
この季節には残雪の峰々が広がります。
「GWは晴れ」の予報に、慌てて蝶ヶ岳行きを決めました。

穂高岳
【朝の穂高連峰と岳沢】

GWの上高地行き夜行バスはなんと8台!
夏以上の賑わいです。

早朝の河童橋からは雲ひとつない素晴らしい穂高が望めました。5月初旬にしては暖かな朝です。
春とはいえ、冬のような大きなリュックの人がいっぱい。みんなどの山に行くのかな?


明神を過ぎたあたりからは、空の青さがますますくっきり。
雪解けの梓川も気持ちよさそうに流れ、芽吹き始めた木々や、
中にはほんのり萌黄色がかった木もあります。

梓川
【明神ヶ岳と雪解けの梓川】

徳沢園の上には抜けるような青空が広がっていました。向こうに見えるのは、六百山。

殆どの人は、まだ先の横尾へ向かうようです。私はここから長塀尾根を登って、蝶ヶ岳へ。


徳沢園
【徳沢園】

徳沢園の裏の蝶ヶ岳登山口から30分くらいで雪道になりました。上に行くほど雪は多くなりますが、登りなのでアイゼンはなくても大丈夫です。


霞沢岳
【霞沢岳と焼岳】


尾根上部の倒木のある疎林に出ました。少し開け乗鞍岳、霞沢岳、焼岳がよく見えます。

が、ここは暑い!
ずっと日陰の樹林だったけど、ここは紺碧の空から真夏のような太陽の日差しが直撃。雪の反射もあって慌てて日焼け止めクリームを塗りました。
この日、東京は28℃甲府は30℃だそうです。


お昼を予定している長塀山はまだかなー。長塀山は狭く特徴のないピークなので、標識が雪で埋もれていると分かり難い。多分”2582地点”と思われる所で昼食。下ると、夏は右に見えていた妖精の池らしき雪原が左に見え、右には大滝山が見えて来ました。

森林限界を過ぎ、平坦になった所で突然目の前に穂高岳と槍ヶ岳の稜線が見えてきました。
なんて素晴らしいんでしょう!!


槍ヶ岳
【槍ヶ岳が見えて来た!】

素晴らしい!!  登って来てよかった! 
穂高岳も槍ヶ岳も白く輝いてくっきり!
右の方には蝶ヶ岳ヒュッテも見えています。

蝶ヶ岳ヒュッテ
【穂高岳~槍ヶ岳~蝶ヶ岳ヒュッテ】

青空にくっきり広がる白い穂高の峰々。
うれしくて、ゆっくり眺め眺め歩き、蝶ヶ岳ヒュッテに到着。手続きを済ませ一休み。
”あとはのんびり穂高を眺めるだけ!うれしいな~” とコーヒーとお菓子を持って外へ出ました。
が! なんと涸沢が逆光でボケている。ショック!!・・・
早めに写真撮っておけばよかった。写真と時刻の関係は聞いた事がありましたが、この時初めて太陽の位置がいかに重要か痛感しました。

涸沢
【ボケた涸沢】

この後は、ずーっと穂高を眺めていました。山再開後、最初の北アルプスは蝶ヶ岳でした。蝶ヶ岳ヒュッテに2泊し、大滝山と蝶槍の間を行ったり来たりしながら、一日中穂高を眺めていました。穂高には崇高さと包容力を感じ、いつまで見ていても見飽きることがありません。
6:30頃 大キレットの向こうに夕陽が沈んでいきました。

夕陽が沈む
【夕陽が沈む】

日没後
【日没後】


日没後も、大キレットの上空はいつまでもオレンジ色に輝いています。

7:40頃 穂高の黒いシルエットの上の鋭い三日月は、遠くに沈んだ太陽の光りをかすかに受けて輪郭がほんのり光り、影の部分が立体的に見え、まさに球体が浮かんでいるよう。
ドキッとするほど美しく、怖いほど神秘的で、いつまでも強く印象に残りました。


8時すぎ、すっかり暗くなった稜線に、涸沢小屋、奥穂高山荘、北穂山荘、槍ヶ岳山荘、殺生ヒュッテの灯りが蛍のように点々と見えます。こんなきれいな夜景も初めて。うれしい・・・
9時の消灯前、外に出ると満天の星。今日の素晴らしい天気に、本当に感謝!!




朝・・・なんと、寝坊してしまいました。
朝日に赤く染まるモルゲンロートの峰々を見たかったのに、ガッカリ・・・
慌てて外に出た時は、こちらの影は下の方になっていました。

槍穂
【早朝の穂高岳と槍ヶ岳】

でも、今日もいい天気。すがすがしい穂高に感激!
朝食後、外に出てコーヒーを飲みながら、目の前に広がる雄大な眺めをゆっくり楽しみました。
双眼鏡で見てみると、涸沢、北穂、槍沢の雪渓を黒い小さな点が列をなしています。
ありのように登っているのが、おもしろい。


御岳方面もくっきり見えました。去年の夏に登った霞沢岳も真っ白。
御岳方面
【御岳~乗鞍岳・霞沢岳~焼岳】

帰りも長塀尾根を下ります。アイゼン付けて振り返りつつ下山。春の蝶ヶ岳は抜けるような青空、くっきりした白い穂高の峰々、神秘的で美しい月、連休にもかかわらず1畳に1人のスペースに感謝の山行でした。



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