金北山

きんぽくさん(1172m)
平成29年5月21日~22日

今日は金北山へ縦走し横山登山道を下る予定でしたが、結果は白雲台へ。
稜線では雪解けを追ってカタクリやキクザキイチゲ、ユキワリソウも咲いていました。


2017.5.22
(月)
 ドンデン
 山荘
金北山
縦走口
アオネバ
十字路
マトネ真砂の峰天狗の
休場
あやめ池金北山マツムシ
白雲台
快晴  05:50発06:1006:2007:10
07:30
08:55
09:05
09:55
10:05
11:0011:40
12:10
13:0013:25着
13:35発



日の出
【日の出】

ドンデン山荘から見る日の出。雲が広がりちょっと残念ですが、海に伸びる光の帯がきれいでした。

朝食は6:30とのことですが、今日は金北山まで縦走したあと、横山登山道を下る予定なので、朝食はおにぎりにしてもらって早めに山荘を出発しました。

今日の青空に感謝して、昨日歩いた舗装道路を下って行きます。金北山への縦走路が朝日を受け、わずかな残雪が白く光っています。

金北山縦走へ
【金北山縦走へ】

昨日通った金北山縦走路入口から入り、今日はすぐ先の近道からアオネバ十字路へ向かいます。
まだ蕾のヤマシャクヤクやユキザサ、エンレイソウなどいて、シラネアオイも咲いていました。


金北山縦走路入口
【金北山縦走路入口】


【天然杉の横に近道】

佐渡島には大木が多く、形も個性的。立派な天然杉もあちこち点在していました。
ちなみに和木山の石名天然杉遊歩道はまだ通行止めで、来週末から通れるようです。



【個性的な形の大木】


【天然杉】

アオネバ十字路
【アオネバ十字路】

昨日来たアオネバ十字路に着きました。
ここからいよいよ金北山縦走路です。


進むとすぐにシラネアオイが点々と咲いていて、ニリンソウ、イワカガミもいっぱいです。
その後もルイヨウボタン、サンカヨウ、シラネアオイも続き、ビックリやら嬉しいやら。



【ニリンソウ】


【シラネアオイ】

短い急登から飛び出たピークがマトネでした。

昨夜の夕食時に隣り合わせておしゃべりしたご夫妻がいて、ちょうど朝食が終わったところのようです。今日は白雲台からタクシーで下山とのことで、入れ違いに私もおにぎりタイムにしました。


マトネ
【マトネ】
燭台禿
【燭台禿から見る両津港】

マトネからは明るい稜線歩きで、左手に両津港や加茂湖が見えてきました。すぐ先に「燭台禿」の道標。

海が見える明るい展望の稜線もあれば、花が次々現れる素敵な緑の小径もあって楽しい縦走路です。


【緑の小径】

次は石花登山道の分岐で、大きな道標があります。縦走路にはトレッキングマップに記されている小さなポイントにもしっかり道標や標識があるので、横山登山道分岐にも道標があるものと安心していました。


石花越分岐
【石花越分岐】

石花越分岐
【石花越分岐 道標】


【シラネアオイが咲き続ける樹林の道】

ザレた稜線や草地の稜線、緑の樹林帯が交互に現れ、相変わらずシラネアオイやチゴユリ、イワカガミ、スミレなど咲き続けています。


次は「小俣沢ノコル」。少し先にアオネバ(青い粘土質)がはっきりしている所もありました。


小俣沢ノコル
【小俣沢ノコル】


【アオネバの道】

雪解けが遅かったような所には、ショウジョウバカマやキクザキイチゲが咲いています。
両側にオオイワカガミやカタクリが群生している所もあり、鮮やかなカタクリもいました。



【濃淡のオオイワカガミ】


【カタクリ】

弥彦山でもカタクリ近くに咲いていたので、よく見ながら歩いたら、いました!ユキワリソウ!
今回初めてのユキワリソウで、数は少ないけれどそれぞれ個性があって可愛いですね~
 





『ユキワリソウに会えて良かった~!』とルンルンで進むと、次は「ツンブリ平」の道標。

ここから「ブイガ沢のコル」を経て「真砂の芝生」まではザレザレ小石の稜線です。

ツンブリ平
【ツンブリ平】

エチゴキジムシロの中にアナマスミレが点々と咲く草地の先に「真砂の芝生」の標識。
樹林帯だけでなく、笹の茂る低木帯にもシラネアオイが咲いていて、ビックリにっこり。


「真砂の芝生」
【「真砂の芝生」を振り返る】


【灌木帯にもシラネアオイ】

真砂の峰
【真砂の峰 (拡大)】

緩やかに登り着いた所が「真砂の峰」で、金北山の眺めも素晴らしく山頂らしいピークです。

左に両津港、右に外海府海岸が見え、これから歩く尾根道も見えて楽しい。

この先で、昨夜山荘に泊まった年配男性二人組さんに抜かれました。山荘での朝食後にスタートしたとのことですが速いですね~


両津港見つつ下って行くと「イモリ平」で、ここにも立派な石標識がありました。
カタクリ群生を抜けると緑のトンネルで、『次はどんなかな』とワクワクします。



【両津港見つつ「イモリ平」へ】


【新緑のトンネル】

撓んだブナ新緑や青空に咲く白いタムシバの花など見上げながら進み、次は「天狗の休場」。
金北山の手前は春らしい柔らかな緑に彩られ、ほんのり桜色も見えて、本当に美しい。


天狗の休場
【天狗の休場】


【緑いろいろ ほんのりサクラ色 (拡大)】

「役の行者」分岐
【「役の行者」分岐】

シラネアオイやチゴユリなど見ながら進み、「役の行者分岐」にきました。ミネザクラが咲いています。

左は夏道、残雪期は直進。 ちょっと迷いましたが、花を期待して直進すると、残雪横の道にはカタクリやキクザキイチゲの他にヒメイチゲも咲いていました。

カタクリはまだ蕾もあって、みんな初々しい。



ショウジョウバカマ

ヒメイチゲ

カタクリ

トリガタハンショウヅル蕾

正面の山肌に残雪が幾つか見えて来ました。
右上の雪面にステップが見えるので、あそこを登るのでしょうね。


【山頂下の残雪 右上にステップ(拡大)】

【雪解けを追ってカタクリが咲く (拡大)】

標高が上がる度にカタクリは増えてきて、この辺りはずっと続いてカタクリロードになっています。

灌木が途切れて、あやめ池に着きました。
細長い葉が出始めていたので、6月頃には紫色が広がってきれいでしょうね~

あやめ池
【あやめ池】

いよいよ金北山への登りになると、ここでも両側にシラネアオイが群生していて、嬉しい~!
が、更に上がると雪解け水が流れていて、登山道はぬかるんできました。ドロドロで大変・・・


シラネアオイ群生
【シラネアオイ群生 (拡大)】


【雪解け水が流れる泥濘道】

雪壁ステップ
【雪壁ステップ】

あの雪壁に来ました。かなりの斜度ですが、しっかりしたステップとロープがあるのでアイゼンは不要。

問題はこの上で、もう少し早い時期ならここも雪が残っていたのでしょう。今は踏まれて倒れたような枝の広がるヤブに覆われ、直進は無理。少し右へ進み、抜けられそうな枝ヤブをくぐって上がりました。

左へ水平移動した先もヤブで、その奥は雪解けの水溜り。細長い水溜りが続いている雰囲気なので、登山道なのでしょうか・・・

取りあえず行ってみよう。
あちこちヤブに引っかけ、足元ジャブジャブ・・・


【雪解け途中 枝ヤブの先は水溜り】

【ようやく最後の残雪道】

『ここでいいのかな~』とちょっと不安になった先は道になり、その後大きな残雪の尾根が目の前。

薄いステップをよじ登り、最後の稜線を進みますが、途中は残雪もヤセて、枝も張り出し、通りにくい所がありました。通過後は、ヤレヤレほっと一段落。

ようやく金北山の山頂に着きました。
お社のほかにも何やら建物がいっぱいで、イマイチ風情のある山頂ではありませんが、無事な登頂に感謝してお参り。

ほっと腰を下ろしたとたん、思い出しました。
『あらっ、横山登山道の分岐あったっけ?』

金北山 山頂
【金北山 山頂】

先着の男性二人組さんや、すぐ後に到着したご夫妻に聞いても「分岐は見なかったですね~」と、皆さん一致した答え。しばし悩んだけれど、あの泥濘や枝ヤブを徘徊して分岐を探すのはイヤなので、白雲台からタクシーで下山するというご夫妻に相乗りをお願いすると快く了承して下さいました。

ここまでどんな小さなポイントにも道標があったのに、なぜ横山登山道の分岐だけ道標がないのでしょう。管理道路で下山するより楽しい道のはずなのに、とても残念でした。

金北山から白雲台へ向かう道は防衛省管理道路なので通行届が必要です。今回は登山届提出の際に、「下山は横山登山道の予定なので防衛省管理道路は通らないはずですが、アクシデントがあれば白雲台へ向かいます。」と添え書きした通行届も出しておいたので、通らせてもらっても大丈夫かなと思います。



【下山すぐからシラネアオイ】

下山を始めると、すぐ下にもシラネアオイが咲いていました。山のてっぺんにも咲いているなんて本当に感激です。


手前の二ノ岳には防衛省のアンテナが沢山設置され、奥の妙見山にも何やら建っています。
日本海を監視してくれているのでしょうね、二ノ岳はぐるっと回り込んで進んで行きます。


白雲台へ
【妙見山見つつ 白雲台へ】


【防衛施設並ぶ二ノ岳】

妙見山
【妙見山の下 マツムシ平】

砂利道だったり舗装道路だったりをひたすら下り、妙見山へは寄らず下ります。

くねくね下って行くと、なんとまたシラネアオイが咲いていました。『これが最後かな、これが最後かな』と撮り続けてしまい、結局白雲台手前まで咲いていてびっくりです。

本当に佐渡島はシラネアオイの島なんですね~
素晴らしいです♪


【防衛省管理道路 道端のシラネアオイ】

白雲台に到着しました。青い海に両津港を出たジェットフォイルの白い航跡が描かれています。
ご夫妻と一緒に美味しいソフトクリームを味わい、タクシー(約6600円)で両津港へ。


白雲台
【白雲台】

両津湾ジエットフォイル
【両津湾を走るジエットフォイル】

佐渡島にあと二泊して観光されるというお二人にお礼を言ってお別れし、タイミングよく10分後に出港するジェットフォイルに乗って新潟港へ。新潟港でも、またまた10分後に発車するバスに乗り、新潟駅から新幹線で帰ったので予定以上に早い帰宅となりました。次回来る時は新潟駅から歩ける山を捜しておこう。



初めての佐渡島は、次々花が咲き続く素晴らしい花の島でした。ドンデン山周辺も伸びやかでゆったり。金北山への縦走路も、見晴らしのいい稜線あり緑の森の小径ありで、変化に富んで楽しいコースでした。ドンデン山荘も素敵な宿だったのでまたいつか再訪し、今度は和木山方面へも歩いてみたいと思います。

大きく華やかな花なのに、清楚な雰囲気もあるシラネアオイは本当に好きな花なので、見るたびに『ここが最後かも』と撮り続け、今回写真の数が北アルプス五日間より多い膨大な数になってしまい仰天しました。



 金北山の花々




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