ごん太さんの「山とバス」で拝見して以来、いつか紅葉の時期に行ってみたいと思っていた日川尾根と源次郎岳へ行ってみることにしました。上日川峠へは裂石からの登山道も好きだけれど紅葉時期に歩いたことがあるし、大菩薩館跡の広葉樹林帯の様子も見てみたいので、甲斐大和駅からのバスで、小屋平で下車しました。このバスもすっかり人気路線になり、定刻より早い臨時便は2台も出ました。
小屋平では15人も降りて大繁盛。今日は快晴。展望の小金沢連嶺と紅葉の牛ノ寝通り、どちらを歩いても素晴らしい山行になることでしょうね。わざわざ歩いて上日川峠へ向かうヘンな人は私ひとりです。 |
カラマツ林で、黄葉の木々を見上げたり、ちらほら混じる紅葉を見上げたりして進みます。 大菩薩館跡周辺は静かな窪地の広葉樹林帯。紅葉も少し残っていて嬉しくなりました。 |
【上日川峠へ】 |
【紅葉の広葉樹林】 |
【上日川峠】 |
上日川峠に着くと、登山者いっぱい。ロッヂ長兵衛の後ろは、葉を落とした木々も見られ、今年の紅葉は若干早めでしょうか。車も多く、砥山林道に入ると路上駐車が並んでいました。 |
一番奥の駐車場入口手前に日川尾根の砥山分岐があるのですが、今日は素晴らしい快晴。こんな日に大菩薩に来て、富士山を見ないのはもったいない。
どこかいい場所はないかと、昨夜は地図を長いこと眺め、「展望台」があるのを発見。今まで気づきませんでしたが、ちょっと寄ってみることにしました。 |
【展望台⇔砥山 分岐】 |
分岐から左へ進むと遊歩道になり、素晴らしい紅葉の森に、ビックリ・ワクワク・ルンルン。 樹間から青い大菩薩湖も見えて、見上げるカエデも光に透けて、なんてきれいなんでしょう~♪ |
【展望台へ】 |
【カエデ いろいろ (拡大)】 |
【展望台からの富士山 (拡大)】 |
遊歩道はずっと奥まで続き、最後はカーブして展望台に着きました。ベンチもあり、富士山の眺望が素晴らしい展望台です。
こんな素敵な展望台があったなんて、全く知りませんでした。大菩薩の稜線から見る富士山とは一味違った富士山です。 |
真っ赤なカエデの向こうには、お気に入りの天狗棚山も見えています。今、あの小笹の稜線から展望を楽しんでいる人もいるのでしょうね。
静かな紅葉黄葉の同じ道を歩いて、砥山分岐に戻ってきました。 |
【奥に天狗棚山 (拡大)】 |
【日川尾根の紅葉】 |
ここから日川尾根の破線ルート。細いながらもはっきりした道で、2008年版の登山地図は山頂を通っていますが地理院地図は巻いています。
すぐ先の日陰小笹の中に砥山山頂へ行くらしい細道がありましたが、ルートは紅葉がきれいなのでそのまま進み、南から登り返して山頂に上がりました。 |
樹林に囲まれ展望のない小ピークで、さきほど見た日陰細道も上がってきていました。 |
【砥山 山頂】 |
【下に砥山林道と大菩薩湖】 |
砥山から南に進んで行くと、左側に砥山林道と青く光る大菩薩湖が見えてきました。 |
砥山林道と隣接すると、いつも上から眺めている大菩薩湖がすぐ横。気持ち良さそうなススキ原もあるので、ちょっと下りてみましょうか。 |
【大菩薩湖】 |
広い草地の奥まで行くと先程歩いた展望台の紅葉の森と天狗棚山の笹ピークが見えてきました。
小金沢連嶺の稜線も遠くまで広がり、開放的な太陽サンサンの草地はとてもいい気持ちです。
【大菩薩湖の堰堤草地から見る、熊沢山?~天狗棚山~小金沢連嶺 (拡大)】 |
林道横のルートに戻ると、道は西へ向かい1637mと思われる山へ向かって行きました。 地理院地図では山頂を通っているようですが、登山道は山腹を進んでいます。 山頂は急勾配のカラマツ林なので、左に見える狼平の笹稜線を眺めながら巻いて行きました。 |
【1637mへ】 |
【1637m山は巻き道を進む】 |
【送電鉄塔 右にゲートのある林道】 |
緩やかに下って行くと、送電鉄塔が見えてきて、道標のある林道に下り立ちました。少し先でゲートのある林道が合流してきています。 |
更に林道を進んで行くと右に文字の消えた道標が見えて来ました。地図は「入口不明瞭」と記されていますが、分かりやすい入口です。
ここが中日川峠だと思いますが、入って少し進むと、右の小笹の中に隠れるように踏み跡が伸びていて、消えて読めない道標札が木に付けられていました。
山地図に記されている黒破線の道でしょうか、今は殆ど通る人もいない雰囲気なので「入口不明瞭」とはここのことかと思います。
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【中日川峠の登山道入口】 |
【1627mあたりのブナ大木】 |
相変わらず緩やかに進み、小さな急登で上がった所が1621mでしょうか、カラマツ林の少し先には細い白樺が一本混じっていて、更に緩やかな尾根が続きます。
点在する雑木の紅葉を楽しみながら進むと、立派なブナ大木。この辺が1627mだと思いますが、三角点は見つけられませんでした。
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やや広めの尾根は右へ行きやすい雰囲気でしたが、踏み跡が消えたので地図確認。 左の尾根へ移り、下って行くと白い大きな建物が見えて来ました。
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近づくと立派なアンテナも見えてきて、山地図にあるNTT無線塔のようです。
朝の上日川峠あたりでは風が強く感じられましたが、この日川尾根は樹林帯なので風も弱く、特に建物の横は風もない。風情はイマイチだけれど、暖かな明るい草地なので、ここでお昼にしました。 |
【NTT無線塔へ】 |
NTT無線塔から林道を進み、『そろそろゲートのはずなのに、遅いなあ』と思っていたら、ようやくゲートが見えてきました。地理院地図にはないけれど、山地図にはあるゲート。『ゲートから少し進んで左に曲がると下日川峠、ルートは南の林道の右側に平行している』と思っていたので左へ進んだら、なんと!開けて富士山が見えてきました。
太陽の位置が右側になるのもオカシイ。これでは下のバス道に出てしまうので、引き返したらゲート横の木に道標がありました。北から下りてきた場合、見えない位置なので気づかず、山地図のゲート位置も違っていました。正しくは「下日川峠 ○」の所にゲートはあります。 《後記》最近の地図は訂正済み
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【下日川峠のゲート】 |
【引き返したら、道標が見えた!】 |
【源次郎岳分岐】 |
林道を少し進むと分岐があり、右へ向かうと足元に道標が置かれていて、これは分かりやすいでした。
少し進むと、今度は左のカラマツ林に立派な公設道標が立ち、細道が伸びていました。 |
カラマツ尾根はやや広めなので踏み跡もまばら。午後の木洩れ日を受けながら進んで行きます。 右側には、木々の間から奥秩父の山々や、塩山の町が見えてきました。 |
【日川尾根 カラマツ林】 |
【塩山市街】 |
見えてきた小ピークが源次郎岳分岐で、小さな三叉路。帰りに下る嵯峨塩鉱泉への道を確認して、右の源次郎岳へ向かいました。 |
【源次郎岳分岐 右へ】 |
【富士山】 |
紅葉の間から富士山が見えています。今日は空気もすっきり乾燥しているので、午後になってもきれいな富士山で嬉しい。 |
この源次郎岳への尾根は紅葉がとてもきれいです。光を受けて、赤も黄色も輝いています。
しかし、この尾根はヤセ尾根の急下り。 見とれてばかりいては危険。 滑りやすいので注意しながら下りました。 |
【源次郎岳へ (拡大)】 |
【源次郎岳の主 ブナ大木 (拡大)】 |
意外に早い山頂!と思ったピークは偽ピーク。 更に急下りがありロープ急登も待っています。
上には、なんとも頼もしい太っ腹の立派なブナ大木が鎮座。源次郎岳の主のように、デン!と腰を据えていました。 |
そして大きく開けた伐採地に出ました。 「源次郎岳 山梨百名山」の道標があります。
北西面がよく見え、八ヶ岳や金峰山の五丈岩など奥秩父の山並みが一望。富士山方面は伐採されていないので眺望のための伐採ではないのかも知れませんが、大伐採は以前の源次郎岳を知っている人にはちょっと悲しく、以前を知らない私には嬉しい展望でした。
この先の恩若ノ峰ルートも気になりますが、今日は嵯峨塩鉱泉へ下ります。
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【源次郎岳 山頂 (拡大)】 |
【紅葉愛でつつ 分岐への戻り急登】 |
分岐への登り返しが、今日一番の本格山登り。
滑りやすい急坂なので、下りより登りの方が気楽で、速く感じる尾根でした。 |
分岐ピークから、嵯峨塩鉱泉へ向けて南へ。 紅葉も混じるカラマツ林ですが、尾根が広がり落ち葉いっぱいなので道があまりはっきりせず、ピンクテープを追いながら下ります。 |
【嵯峨塩鉱泉へ】 |
【嵯峨塩深沢林道 横断】 |
左に林道が見えて来て、やがて嵯峨塩深沢林道に出ました。向かい側にテープはないけれど、落ち葉に隠れた薄い窪みがある雰囲気。
ここまでは最近らしい人の気配がありましたが、林道横断の先からは真っ新な落ち葉になり、最近歩かれた気配がなくなりました。
地理院地図で確認しながら嵯峨塩方面へ下って行くと、ポツポツとテープが見えてきました。 |
やがて尾根がはっきりしてきて、あちこちに鮮やかな紅葉黄葉があって、とてもきれいです。 右に集落林道が見えてきましたが、やがて目の前は笹薮。とりあえず突入してみると・・・ |
【嵯峨塩方面へ 南側は紅葉】 |
【集落林道が見えてきた】 |
笹薮から飛び出た所で、集落林道に出ました。 林道のある集落は、登山地図では「牛奥」。 地理院地図では「嵯峨塩」と記されているので訳わからん。バス停のある嵯峨塩館は、この嵯峨塩集落にあるのかな~・・・
よく見れば左の薄暗い日陰の谷?に細道があり、こちらがバス停への近道かも知れないけれど、暗い道は気が進まない。時間に余裕があるので明るい集落へ下りることにしました。
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【林道 左の日陰谷が近道?・・・】 |
【「嵯峨塩鉱泉」バス停】 |
富士山が見え隠れする道を下って行くと民家が点在し、作業している人がいたので嵯峨塩館を尋ねると丁寧に教えてくれました。
バス車道に出て左へ上がると、やがてバス停と立派な旅館が見えてきました。バス停のすぐ先に「源次郎岳入口」の道標があったので、やはりあの日陰の細道が近道だったようです。
満員バスに揺られて甲斐大和駅に着くと、上り電車が待機していてラッキーでした。
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快晴の紅葉登山日和で大変な人出の大菩薩でしたが日川尾根では誰にも会わず、源次郎岳から先は紅葉もきれいで静かな尾根歩きの一日でした。展望台発見は老後に役立ちそうで嬉しいです。 |