菊花山・九鬼山

きっかさん(643m)・くきやま(970m)


数年前の4月下旬に猿橋駅から九鬼山へ登った事がありますが、
自然林が多く新緑と花の多さにすっかり嬉しくなり、帰りも同じ道を戻りました。
今回はその時に見かけた大月駅の南の山、菊花山から登り始めます。


2006.4.22(土) 大月駅_菊花山_沢井沢ノ頭_馬立山_札金峠_紺場休場_九鬼山_弥生峠_禾生駅
うす晴れ 07:40着
 07:45発
08:55
09:05
10:00
10:05
10:2510:5511:20
11:30
12:25
13:15
13:3514:30着
14:45発



中央線の車窓から見える高尾あたりの山々はきれいな新緑になっていましたが、電車が進むにつれ柔らかな萌黄色に変わって来ました。大月駅で下車、改札を出て南にまっすぐ進み、斜め左に交番のある十字路で右折すると、もう富士山がちらっと見えて来ます。


バイパスをくぐる
【左のバイパスをくぐる】

5分ほど進むと左上のバイパス(工事中)が近づいて来て、正面には富士山の上半分がきれいに見えてきました。

トンネルのようになっているバイパスの下をくぐり、階段を上がると目の前が菊花山登山口の無辺寺です。


階段を上がり、本堂でお参りして左の細い道を登って行くと奥に不動尊があり、上に「菊花山」と掲げられていました。菊花山は修験、信仰の山だったのでしょうか。左に上がると道標があり、ここからは登山道です。山腹道で、すぐにイカリソウやヒトリシズカ、スミレなどが目に付き、少し行けば、ヤマブキもイカリソウも斜面いっぱいに広がり、チゴユリやシュンランも混じって、なんとも賑やか。写真を撮るのに忙しく、なかなか先へ進みません。


ようやく山腹の道が終わり、支尾根に出ると正面に富士山。今日は上空に薄雲が広がっていますが、今はまだきれいに見えています。

里の新緑から山へ向かって萌黄色になり、高い山はまだこれから。山に挟まれ、蛇行する川に沿って畑や家々が建ち、富士山が見える景色は日本の原風景のような眺めです。


富士山
【尾根に出ると富士山もすっきり】

ここからはモミジイチゴなど低い潅木が茂る滑り易い道になり、やがて上に見える芽吹きの木立の尾根に合流しました。左に、大月駅からまっすぐ登る道が上がって来ていますが、バイパスの工事で今はどうなっているのでしょう。

岩が多くなり、僅かな急登で菊花山の西の一角に出ました。展望が広がり、滝子山から後ろに続く小金沢連嶺が大きく横たわっています。下に見える岩殿山の西の花咲山は自然林のようで、麓のゴルフ場が痛々しい。右下の方には岩殿山の岩がよく見えていました。

小金沢連嶺
【小金沢連嶺方面】

富士山の左側は鹿留山で、右に見える高川山はここから見ると堂々としたりっぱな山容です。左手前には、これから向かう沢井沢ノ頭~馬立山~九鬼山が見え、駅から一時間くらいで登れる低山ですが本当に素晴らしい展望です。

富士山
【富士山方面】

菊花山
【菊花山 山頂】

すぐ先が菊花山の山頂で、大きな岩が2,3個あり狭いながらも何となく寛げる雰囲気です。

周りの木々は黄緑、うす緑、うすグレー緑、うす茶緑とこの時期ならではの萌黄色。小鳥もさえずり風は優しく、まさに山微笑む季節です。

下り始めは岩ゴツゴツのヤセ尾根で、明るい芽吹きの中を下って行きます。

岩ゴツゴツ
【萌黄色の岩尾根】
菊花山の下り
【明るい菊花山の下り】

木々の間に倉岳山や御前山を見ながら下って行きます。気持ちのいい道で、向こうの麓付近の山肌には山桜のピンクがほんわり。


所々ヤマブキが群生し黄色の道になっている尾根を気持ちよく下って行くと、男性が立ち止まってメモ中。右の小道に倒木があるので、真っ直ぐ下りたら行き止まりだったそうです。ここは真っ直ぐ進みがちですが、目の前の立ち木に小さな「→」の表示があり、ここではこの倒木を越え右に行くようです。下りきった落ち葉の鞍部から登り返しになりました。

ちょっと開けた所には反射板があり、その先で厄王山(御前山)への道を2度見送って尾根に出ました。

以前「菊花山へ」の道標を見た所とは違う所に出て、いきなり沢井沢ノ頭に到着しました。ここからは実線ルートで、道ははっきりします。


沢井沢ノ頭
【沢井沢ノ頭】

左に雑木、右に植林の道を緩やかに下り、登り返してしばらくすると馬立山直下の岩場になります。ここは傾斜のあるヤセ岩尾根で、このルート唯一のちょっと危ないけど面白い所。慎重に登れば大丈夫ですが、上には前回無かった木枝の通せんぼがしてありました。下りの時は巻き道を通ったほうが安全です。

馬立山から下り、緩やかになった先に道標があります。まっすぐ続く田野倉駅への道を見送って左の急坂を下りますが、ここはロープの下がった滑り易い下りです。やがて植林になり、札金峠に出ましたが、この辺でカメラが動かなくなりました。

今日は朝から時々「バッテリーを交換して下さい」と表示が出て予備バッテリーを入れ替えたりしていました。フル充電してきたはずのバッテリーに交換したり温めたりしていましたが、とうとう動かなくなってしまいました。この200万画素のカメラもこの頃調子が悪くなったので、そろそろ買い替え時かも知れません。写真は諦めましたが両側が植林で薄暗く、狭い峠道は時代劇なら追い剥ぎが飛び出して来そうな感じの所です。札金峠という名前がそう感じさせるのかも。


九鬼山を見ながら
【九鬼山を見ながら】

すぐ先の田野倉駅分岐を過ぎるとやがて山腹の道になり、だんだんと九鬼山が目前に迫って来ます。

木々の緑がきれいなので、またバッテリーを温めたり入れ替えたりしていたらやっとONになってくれました。やれやれ、大変。もう撮り終わってもOFFにせず、ずーっとONのまま時々シャッターを押したりしながら持ち歩きました。

やがて草地の紺場休場に着きました。ここは早春のコブシがきれいらしいのですが、今はもう花もなくなっています。

西側が開け、高川山が目の前です。ロープの囲いの中には大きな株のシュンランが咲いていました。

紺場休場
【紺場休場】

ここからは尾根伝いに登らず、左隣の尾根へ向かいます。山腹を巻くように進むとスミレが目立ち始めアケボノスミレやマルバスミレ、先にはナガバノスミレサイシンやエイザンスミレがいっぱい咲いていました。ロープのかかるガレ斜面を横切ると隣の尾根に出て、ここから右へ最後の登りです。


九鬼山直下
【九鬼山直下の急登】

芽吹き前の木立の中にきれいに咲いているミツバツツジを見ながら進むと、その先は岩もある急坂になるので、ここでカメラはOFFにしてウエストポーチにしまいました。


あと少しで山頂という時、上から二人連れが下りて来ました。私は「こんにちは~」と言ったかどうか。しばし、目が点になって、直立不動の姿勢に。 なんと! また、らんぼうさんにお会いしたんです。先月の城山での間抜けな失礼をお詫びしようと話し掛けると、らんぼうさんも「あ~ あの時の~」と笑顔で思い出して下さいました。そして今日も「写真、いいですよ」とおっしゃって下さったので、嬉しくなって早速カメラを出したのですが、なんというタイミングの悪さでしょう!もうどうやっても動きません。「カメラの調子が悪いんです」と言うと、「じゃあ、○○さんのカメラで撮りましょう」と同行の方に言って下さり、らんぼうさんと並んで、ハイ、ポーズ! 後日○○さんから写真を送っていただきました。とても気さくで優しい心遣いのらんぼうさんでしたが、こちらはすっかりアガってしまい、お礼を言うのが精一杯でした。

2ヶ月続けてお会いするなんてびっくりと思いながら、すぐ上の九鬼山に着くと、ここもまたびっくり。狭い山頂はすごい人で、富士見平へ行ってみると、こちらも人が多く座る場所がない。また山頂に戻って、空いていた丸太ベンチで大菩薩方面を眺めながらお昼にしましたが、今日の九鬼山は大にぎわいでした。

食後、またバッテリーを温めたり入れたり出したりしていたらやっとONになったので、九鬼山の山頂の写真を撮って、あとはまたずっとONのままにして出発しました。


九鬼山
【九鬼山 山頂】
弥生峠
【弥生峠  みゆき尾根はまっすぐ】

帰りは弥生峠経由で禾生駅へ下ります。賑やかだったのは山頂だけで、富士見平からは誰にも会いませんでした。

松混じりの明るい雑木林を下り、弥生峠に着きました。右は杉山新道1号路で、カラマツの新緑がきれいです。
2号路はみゆき尾根と呼ばれる尾根道で、こちらを下りました。下り始めはややヤブっぽいけど、細いながらも道ははっきりしています。

概ね右は植林、左は雑木林で低木が多く、明るい緑の道で、ここもスミレがいっぱいでした。しかもちょっと珍しいようなスミレが多いので、写真を撮るのに忙しい。ONにしておいて、よかった。

みゆき尾根
【みゆき尾根を下る】

やがて沢に下り立ち、あばら沢と記された小さな沢を渡ると1号路と合流し、少し行くと車道に出ました。その先で、愛宕神社経由の道と合流。


レンガの水道橋
【レンガの水道橋】

あとは道標に従って進み、芝桜で飾られたレンガの水道橋をくぐります。

その先の落合橋を渡って、折り返すように左折すれば禾生駅も間もなくです。振り返ると、すぐ後ろに九鬼山が大きく見えていました。


菊花山は駅から近いながらも本当に眺めのいい山で、春の息吹に満ち溢れていました。九鬼山の帰りに歩いたみゆき尾根は新しい地図には実線で記されていましたが、それほど歩かれている様子はなく静かな道でした。


 菊花山・九鬼山の花々



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