城山・景信山

しろやま(670m)・かげのぶやま(727m)


高尾山の春は裏高尾から来ると、高尾特集の雑誌で読んだ事がありました。
沢沿いには早春の花も多いと聞いたので、日影沢と小下沢の林道を歩いて来ました。


2006.3.18(土) 日影_日影沢
園地
_城山_景信山_堂所山_関場峠_小下沢
キャンプ場
_木下沢
梅園
_日影
晴れ
のち曇り
 08:4509:1010:20
11:00
11:50
12:00
12:50
13:00
13:4014:40
14:50
15:15
15:20
15:30



高尾駅8:32発の小仏行きのバスに乗車。国道から旧甲州街道に入ると沿道や民家の庭には梅の木が多くなり、紅梅も白梅もきれいな花を咲かせていました。小仏関跡や蛇滝口あたりは特にきれいで、この道は車も少ないので歩いてもよさそうだなあと思いました。


日影沢林道へ
【左の日影沢林道へ】

日影で下車し、車道を少し進んでカーブの先で左の日影沢林道に入ります。

橋を渡ると左側に新しそうな木造りの遊歩道がありました。


林道をそのまま進んで行くと、右側にはサラサラときれいな流れの日影沢。ふと見ると、向こう岸で三脚を構えて写真を撮っている人がいます。私も飛び石伝いに渡ってみると、可愛いアズマイチゲがあちこちいっぱいありました。

まだ朝日が当たらないので閉じてうつむいたままですが、咲けば茎や葉のわりに白く大きな花で、童女のような雰囲気の可憐な花です。

近くには葉がギザギザのキクザキイチゲやニリンソウも多く咲いていました。

アズマイチゲ
【うつむいたままのアズマイチゲ】

細い小道は下から続いているので、ちょっと下流に戻ってみると、山側に赤テープがありました。低木の間に細い踏み跡があり、上へ続いています。どこへ行くんだろう・・・
花をひとつひとつゆっくり眺めながらまた上流に向かって引き返し、日影沢園地に出ました。


いろはの森分岐
【いろはの森 分岐】

ここにはトイレなどあって、すぐ横は「いろはの森ルート」の分岐になっています。
真っ直ぐの日影沢林道は、ただの植林の林道のように見えるので、一瞬いろはの森へ行きたい気もしましたが、今日は林道歩きに徹しようとそのまま進みました。


案の定、ずーっと植林の道が続きました。途中に湧き水があったりしましたが、単調で花もなく、やれやれ参ったなあと思いながら歩きました。でも、空は青く、静か。

ゲートの先大きくカーブしながら折り返すと、ようやく日の当たる明るい道になりました。雑誌にあるスミレ道はこの辺かなと思いましたが、まだ早く、葉はチラホラ見えますが花は蕾すらありませんでした。


日影沢林道
【日影沢林道 上部】

城山山頂ももうすぐという辺りで右の尾根が近くなり、脇に細い小道があったので入ってみました。後ろを見れば、道はずっと続いているようです。地図を見ると尾根は日影へ下りているので下の沢で見た赤テープはここに通じているのかも知れません。なんだかワクワク、次回はここを歩いてみたい。すぐ先で一丁平や小仏峠の分岐に出て、カーブを上がって城山に着きました。


城山
【城山 富士山は見えない】


早速、茶店の向こう側へ行ってみましたが、富士山はもう見えませんでした。今日は青空ですが、春の陽気で遠くの山々は霞んでいます。お昼には少し早いけど、とりあえず昼食。


食後、桜の木の下で写真を撮ってふと後ろを振り向くと、北側のベンチにどこかで見たことのある人。テレビで拝見するらんぼうさんに似た方が、お一人で昼食中でした。目が合ったように思ったので、軽く会釈するとあちらも返して下さいました。あ~やっぱりらんぼうさんかな。プライベート山行なら、周りに気付かれないようにそっとしないと、と公設トイレの方へ向かって歩きだすと、らんぼうさん(?)が突然「写真、撮りましょうか。」と声を掛けて下さいました。私はびっくり!一瞬固まってしまいましたが、お食事中だったので何だか申し訳ない気持ちになり、思わず出た言葉は「いえ、あの、結構です。ありがとうございます。」でした。

慌ててその場から離れてしまいましたが、折角声を掛けていただいたのだから、ちょっとくらいお話させてもらってもよかったのではと、あとで残念に思いました。考えすぎの遠慮はかえって失礼だったかもと、しばらくは歩いていてもそのことが頭から離れませんでした。らんぼうさんにそっくりだったけど、人の多い土曜日の城山を、ひとりで歩かれる事があるんだろうか・・・  人違いかな~

この後は小下沢林道へ行くので、堂所山へ向かいます。一旦、小仏峠まで下って、登り返し景信山へ着きました。

空はずいぶん雲ってきましたが、ここも今日は賑やかで茶店前のベンチは昼食の人がいっぱいでした。北側のベンチでちょっと休憩。


景信山
【景信山】

熊笹の道を過ぎ、植林のピークを小さく上下しながら堂所山の分岐に来ました。ここで一般の高尾縦走路から外れ、右の急坂を登って行きます。


堂所山
【堂所山】

堂所山 山頂に着きました。
巻かれることが多いので、奥高尾の主要ピークの中でも目立たず静かな山頂です。西側は気持ちのいい自然林で、ベンチが2つあります。先客さんが出発して行ったので、ここでコーヒータイムにしました。

この先の下りは急ですが小笹の広がる気持ちのいい静かな道。以前、新緑の頃はいいだろうなあ次回は芽吹きの頃に来ようかなと思ったのに、また同じような時期に来てしまいました。

笹道
【気持ちのいい笹道】
関場峠
【関場峠】

曲がりながら下った先に関場峠が見えて来ました。マウンテンバイクの青年が休憩中です。

ここも静かな峠で、高尾の山々もちょっと外れると本当に静かです。真っ直ぐ続いているのは北高尾山稜の道で、途中までは雑木林ですが、その先はずっと植林のアップダウンです。

すぐ下に見えている小下沢林道に降りました。
ジャリ草地に車の跡がある道で、右下に小さな流れの小下沢。後ろからさっきのマウンテンバイクの青年が通り過ぎただけで、ここは誰も通りませんでした。

春を告げる大好きな青い花、オオイヌノフグリがいっぱい咲いています。道端にはカキドオシやスミレ、沢沿いにはフサザクラが咲いて(?)いました。

小下沢林道
【小下沢林道】
小さな滝
【小さな滝】

小さな滝もいくつかあるので、緑濃い季節になればもっと楽しい道になりそうです。

沢のすぐ近くになると、男性が三脚で花を撮影中でした。私も沢に降りてみるとハナネコノメがいっぱい。

初めて見ましたが、なんて小さいんでしょう。
白いあられ菓子が散らばったようにいっぱい咲いていて、一つ一つは目をくっつけないと分からないくらい小さく可愛い花でした。

ハナネコノメ
【ハナネコノメ】

小下沢キャンプ場
【小下沢キャンプ場】


更に歩き続け、ゲートが見えてきて脇を抜けるとキャンプ場でした。「小下沢風景林」の看板があり、沢に架かる小さな丸太橋には景信山からの道が降りて来て、反対側には北高尾山稜からの道が降りて来ています。
切り株ベンチでしばし休憩。ここからは人もちらほら見かけるようになりました。

しばらく先でだんだん沢から離れ植林が多くなると、途中3ヶ所、左側に北高尾山稜から降りてきた細い道がありました。

やがて前方の左斜面に梅林が見えてきました。手前はまだ蕾でしたが、先へ進むほど咲いている木も多くなり、中央道ガード付近は見頃できれいでした。
フェンスがあって中に入れないのが残念。陽が差せばもっと鮮やかできれいな事でしょう。


木下沢梅林
【木下沢梅林を振り返る】

高速道路の下を通り、その先の中央線のガードをくぐって緩やかに下って行くと、朝通った日影沢の入口です。その先、日影ではバスの時刻に少し時間があったので、沿道の梅や花を見ながら歩き、途中のバス停から乗車しました。窓から外を眺めていると、小仏川の向こう岸をザック姿の人が歩いています。
えっ!あそこ、歩けるの?と思っていると、小さな梅林を散策している人もいます。いいなあ、どこまで行けるのかなぁと、ずーっと右側ばかり見ていたら国道の先、線路沿いの細い脇道へ入っていく人もいました。高尾駅近くまで川沿いの歩道があるようで、今度はあそこを歩いてみたいと思いました。



今回、裏高尾と言われる所を初めて歩きましたが、日影沢は「いろはの森」分岐まで花もあってとてもいい感じでした。小下沢は、距離は長いけどずーっと静かで平坦。特に関場峠からキャンプ場までは、しっとりした緑濃い梅雨の頃でも楽しそうな道でした。

 日影沢・小下沢の花々



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