龍王岳 東尾根

りゅうおうだけ(2872m)

立山浄土山近くの龍王岳東尾根は岩稜尾根の初心者用バリルートとのこと。
久し振りの岩稜帯に緊張しつつ、素晴らしい展望も楽しんで来ました。


2021.10.5
(火)
 室堂一ノ越取りつき龍王岳一ノ越室堂
晴れ  09:35着
 09:45発
10:50
11:00
11:2513:25
13:45
14:20
14:30
15:10着
15:30発


初夏、KAZUさんから剱岳平蔵谷と源次郎尾根の提案がありましたが、一旦平蔵谷出合まで下って山頂まで登るのは、私には技術的にはもちろん体力的にももう無理。もっと簡単&短い岩稜帯なら何とかなるかもと言って、秋の龍王岳東尾根を案内して下さることになりました。

龍王岳は浄土山からすぐの小さなピークで山頂には立ったことがあるけれど、そんな岩尾根があることは知りませんでした。ヘルメット・ザイル・カラビナなども用意する、とのことなので体験してみることにします。最後に急峻な岩稜を歩いたのは6年前の槍穂先?しばらく歩いてないので、短いルートとはいえワクワク&ドキドキです。


信濃大町駅で待ち合わせ。扇沢からアルペンルート往復券(2810円割引)を購入して、室堂へ。
途中駅の黒部平やロープウエイからは紅葉がきれいで、朝日を受けて輝いています。

黒部平
【黒部平 (拡大)】
大観峰へ
【大観峰へ (拡大)】

大観峰でも展望台へ出てみると、周辺も赤・黄・緑の豊かな彩りで、青空に映えています。
逆光ながら後立山連峰や青い黒部湖もすっきり見えて、タンボ平の紅葉も間もなく見頃のよう。


【大観峰 (拡大)】
大観峰
【後立山連峰 (拡大)】

室堂に到着。周辺はチングルマの草もみじが広がり、所々に鮮やかな赤も見えます。

室堂
【室堂】
室堂
【草もみじ (拡大)】

ナナカマドの紅葉なども眺めながら、一ノ越へ。


【紅葉】

【一ノ越へ】

一ノ越に到着。 今日は左の立山ではなく、右の龍王岳の東尾根を登ります。
私はザックをデポし、昼食や上着など必要なものだけ小さなザックに入れて、準備OK。
KAZUさんは私の分の装備一式など入れた大きいザックのままなので、申し訳ない気分です。


【雄山】
龍王岳東尾根
【龍王岳東尾根へ (拡大)】

龍王岳東尾根
【取りつきへ】
東一ノ越への道を下り、途中で右下の取りつきへ。東尾根の北側はガラガラ落石帯のようで要注意。

振り返れば一ノ越山荘が小さく、
周辺はチングルマなど夏は花も多そうな所です。

【振り返る一ノ越】

ここで身支度。帽子はシミ防止に仕方なく被るけれど本当は嫌い。ヘルメットも鬱陶しいので被りたくなかったけれど、「岩に頭をぶつけることもあるから」と被せられてしまいました。簡単なハーネスも念のため装着しカラビナをセット。100均のカラビナではなく本物のカラビナに触るのも初めてです(^^

龍王岳東尾根
【龍王岳東尾根へ (拡大)】

【いよいよ岩稜帯へ】

ヒモに繋がれるのも好きじゃないからと言って、しばらくはそのまま登りました。途中から私が先に行くことになりましたが、傾斜が強くなった所で下からKAZUさんが「そこで待ってて下さい。上からザイルを下します。」と言ってスルスルと上に行き、ザイルを下げてくれました。



【「そこで待ってて下さい」 「は~い」】


初めてのザイル、わくわくでカラビナにセット。
どうしても手掛かりに届かない所では、
ザイルがあって助かりました。


【初めてのザイル♪】

横を見れば、今日は薄雲があっても遠望は利き、槍ヶ岳も笠ヶ岳もすっきり見えています。


【槍ヶ岳~笠ヶ岳 (拡大)】

【見下ろせば、確かに絶壁】

傾斜はそれなりにあっても、けっこう足場も手掛かりもあるのでアスレチックみたいです。


【上へ】

【KAZUさん撮影】


一人で行けそうな所は先に行かせて下さるので、
ドキドキしつつも楽しい。



【KAZUさん撮影】


【次はあのピークへ (拡大)】


左には針ノ木岳や船窪岳方面の下に黒部湖の南端が見えています。

KAZUさんが岩から岩へさらっと渡った少し先で「ここもザイルがあった方がいいから、そこで待ってて下さい。」とのこと。
【黒部湖の南端(拡大)】



【私は後ろで待機】

私が「何とか行けそうな気がしますけど~」と言っても「ダメダメ!そこから絶対動かないで下さい!」と言って、少しして上からザイルが下りて来ました。カラビナに装着し、いざ進んでみると、確かにすぐ前の足場まで渡れそうで渡れない。私では足の長さが、まさに足りない(この漢字、ピッタリ!)。足場や手掛かりにわずかながら届かない所があったので、ザイルがあって本当に助かりました。



【上へ】



あとは普通の岩稜歩きになり、ほっと安心。
でも気を抜いてはいけません。


【上へ】

最後の緩やかな登りで龍王岳の山頂に着きました。  無事に到着できて、よかった~!
滅多に笑わないKAZUさんも、ほっとされて満面の笑み。ご心配おかけしてすみません。でも感謝です。


【山頂へ】
龍王岳 山頂
【龍王岳 山頂 (拡大)】

狭いピークですが眺望は素晴らしく、五色ヶ原の奥には薬師岳など北アルプスの山々。
浄土山方面では室堂山斜面の紅葉がとてもきれいです。低木の紅葉で、東北の山みたい。


【五色ヶ原方面 (拡大)】

【浄土山方面  奥は大日三山(拡大)】

そしてずっと見えていた後立山連峰。更に奥の餓鬼岳や燕岳などの稜線も見えて、素晴らしい眺望です。


【後立山連峰    餓鬼岳~燕岳~槍ヶ岳  笠ヶ岳 (拡大)】

あとは簡単な下りで、すぐに五色ヶ原分岐。   富山大研究所から一ノ越へ下ります。

龍王岳
【振り返る五色ヶ原分岐と龍王岳】

【富山大研究所ピークへ】

この時、雄山にかかっていたのはレンズ雲? 山ではたまに見る珍しい雲なので嬉しくなりました。
後日、富山テレビでは、この日のレンズ雲について放送されたようで、夕方には増えていたようです。

雄山にレンズ雲
【立山 雄山にレンズ雲 (拡大)】
龍王岳
【振り返る龍王岳  ありがとう~♪】

今日は終日気持ちのいい青空。  静かな登山道の紅葉を愛でながら下ります。


【一ノ越から】
室堂へ
【室堂へ (拡大)】

立山を振り返りつつ室堂に到着。KAZUさん慣例の無事下山セレモニーコーヒーを頂き、山行終了。
アルペンルートで扇沢まで戻り(往復切符利用は初めて)、車で駅まで送って頂きました。

立山三山
【立山三山 (拡大)】

龍王岳の東尾根は久し振りの岩稜で取りつきから2時間くらいの短いルートでしたが、槍の穂先より長い時間が必要だし、今は体力も集中力も続かないので、私にはちょうどいい岩稜尾根でした。地図で見ればほんの小さな岩山だけれど、クサリやハシゴなどで整備されてないルートだし、ザイル・カラビナ・ヘルメットに触ったのは初めて。とても貴重な楽しい体験が出来て感謝の山行でした。




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